2016年8月15日月曜日

キューバ文学(32)バルセロナ

ヘスス・ディアスがマドリードに立ち上げた出版社はEditorial Colibrí。残念ながら閉じてしまったことはすでに書いた。

しかしバルセロナのEditorial Casiopeaはまだ健在だ。この出版社の「セイバ・コレクション」は亡命キューバ作家を扱うシリーズだ。

出典は忘れてしまったが、ヘスス・ディアスもこの出版社に協力していたらしい。有名なカリブ論『反復する島』(アントニオ・ベニテス・ロホ)の決定版もここから出ている。

この出版社から出たものとして、

Nuez, Iván de la, La balsa perpetua : Soledad y conexiones de la cultura cubana, Editorial Casiopea, Barcelona, 1998.
 
イバン・デ・ラ・ヌエスは1964年にハバナに生まれた批評家。El Paísなどにも寄稿している。彼のブログはこちら

最新のエントリーでは島在住のアーティスト、ラサロ・サアベドラ(Lázaro Saavedra、1964年生まれ)のことを紹介している。

この人のビデオ・アート作品(Reencarnación)は、61年に検閲されたフィルム「P.M」を使い、音楽はキューバのレゲトン歌手エルビス・マヌエルの歌に取り替えている。この歌手は2008年にマイアミに向けて亡命しようと船に乗ったが、そのまま行方不明になった。

Abreu, Juan, A la sombra del mar: Jornadas cubanas con Reinaldo Arenas, Editorial Casiopea, Barcelona, 1998.

フアン・アブレウはレイナルド・アレナスと付き合いがあった。この本はアブレウの1974年から75年の日記をベースにしている。アレナスが逮捕され、収監されていたころのことだ。アブレウ版『夜になるまえに』である。

アブレウは現在バルセロナ在住とのこと。

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