2017年3月26日日曜日

記念に


「反マッコンド」論文ほか

去年の秋に書いていた論文が刊行された。

「反マッコンド文学ーー二十一世紀キューバにおける第三世界文学とダビー・トスカーナ『天啓を受けた勇者たち』」『総合文化研究』 東京外国語大学総合文化研究所、20号、2017年、48-57頁。

いずれPDFになってウェブから読めるようになるはず。

それから、『セサル・バジェホ全詩集』の書評を図書新聞に書いた。引き受けたのは昨年の夏で、書くまでに時間がかかってしまった。

「翻訳不可能な詩を訳すまで」『図書新聞』3294号、2面、2017年3月11日。

そういえば、スペインでバジェホの詩集を何冊か買った。そのうちの一冊は以下のもの。

Vallejo, César, España, aparta de mí este cáliz, Árdora Ediciones, Madrid, 2012.

1939年に出た本のファクシミリ版で、ピカソによるバジェホのポートレートが載っている。

3月の頭にはこんなところにいた。ここにも同じ内容が。

明後日、3月28日はこちらのイベントに出る。

2017年3月13日月曜日

キューバ文芸誌『UNION』

キューバ作家・芸術家協会(UNEAC)が発行している雑誌が『UNION』。

その1979年第3号は「カリフェスタ」が特集になっている。

「カリフェスタ Carifesta」とはガイアナのフォーブス・バーナムの提唱により、そのガイアナで1972年に第一回が開かれたカリブの芸術祭である。それ以降、3年か4年おきにカリブ各地で開催されている。今年2017年はバルバドスで8月に開かれる。公式ページはこちら

1979年はキューバが開催地になった。Wikiを見ると、スペイン語圏で開催されたのはこの一回だけのようだ。

「カサ・デ・ラス・アメリカス」刊行の『Anales del Caribe』第一号(1981年)には、ハイメ・サルスキー(Jaime Sarusky)による「Carifesta en Cuba」(pp.207-222)があるが、これは1979年の「カリフェスタ」のレポートである。

しかし『UNION』には相当な数のカリブ作家の文章が掲載されている。

ニコラス・ギジェン、ジャック・ルーマン、カルペンティエル、ガルシア=マルケス、クロード・マッケイ、ジョージ・ラミング、サムエル・フェイホー、カマウ・ブラスウェイト、エドワール・グリッサン、エメ・セゼール、C.L.R.ジェームズ、ウォルコット、フアン・ボッシュ、ミゲル・オテロ・シルバ、エリセオ・ディエゴ、ウィルソン・ハリス、ルネ・ドゥペストル、ミゲル・バルネ、フェルナンド・オルティス、ペドロ・ミールなどなど。



2017年3月11日土曜日

キューバ短篇選集『私たち二人』

昨年、文芸誌『すばる』でLGBT特集で原稿を書いたときに調べて見つけた本。キューバのレズビアン短篇選集で、どんな本なのかと思いを巡らしていたが、幸運にも手に入った。

Sotolongo Carrington, Dulce María(Selección y prólogo), Nosotras dos: Antología homoerótica femenina, Ediciones Unión, 2011, La Habana,

編者のソトロンゴ・カリントンさんは1963年生まれのキューバ人。

序文には「キューバで初めて、愛し合うか、あるいは性を超越した親密な関係を築く女性たちの短篇がまとめられた選集」とある。

ただし、この本を読む人は、書き手の性行動を詮索しようとしてはならないとも付け加えている。

刊行時にはこんな記事が出ていた。


想像していたよりも分厚くて、400ページ近い。50人もの作家のレズビアン短篇が入っている。

全員の名前を列挙するのは難しいが、なんとか半分くらいが見覚えのある名前。

エナ・ルシーア・ポルテラやアナ・リディア・ベガ・セローバ、ナンシー・アロンソ、ジョシュ、アイダ・バールなども当然。

(この項、続く)

2017年3月10日金曜日

21世紀のピニェーラ

キューバの文芸誌でビルヒリオ・ピニェーラの特集をやっている。多分キューバの外には出にくい雑誌なので、表紙を出しておきたい。

「La Siempreviva」誌では2007年12月に出た第2号。この雑誌は随分前に一度買ったのだが、旅の途中で失われ、ようやく再会できた。




2回目が2012年の第15号。ここにはよく知っている研究者の論文も載っている。


そして「Extramuros」誌の2010年第29号でもピニェーラ特集。