濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』を見てきた。『ドライブ・マイ・カー』から一段も二段も上にのぼったように感じた。現実世界で周りを見回すと、卑劣な悪、善意のふりをした悪、こんな時代だからこうなっても仕方ないですよね的な「合理的な考え」から導き出される悪しかないし。
言わずもがなとはいえ、映画では言葉が丁寧に誠実に取り扱われる。全ての言葉を詐術のために使う人、言葉をおためごかしとして使うことを身につけてしまった人に、この映画はどう映るのだろうなあ。
2026年6月21日は夏至。
El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
授業の始まりや身内のことで若干慌ただしかったのだが、日常に戻りつつある。4月前半の気候や気圧の激しい移り変わりも毎年のこととはいえ、年度始まりがこんな天気だとちょっときつい。
スペインの出版社Tusquets(トゥスケッツ)の創設者ベアトリス・デ・モウラが87歳で亡くなった。Tusquetsといえば、村上春樹のスペイン語版も全部(?)出している出版社だ。レオナルド・パドゥーラもたぶんそう。ベアトリスはもともと、出版社ルーメン(Lumen)で働いていたが、ルーメンの経営者であり編集者であるエステル・トゥスケッツと意見が合わなくて、ここを出て自分でトゥスケッツを立ち上げたのだ、その時の夫オスカル・トゥスケッツとともに。このオスカルはエステルの弟である。文芸記者のフアン・クルスがベアトリスにインタビューしたものが本になっていて、これを読むと1960年代以降のスペインの出版のことがわかる。