2015年12月27日日曜日

キューバ文学(13)女性作家インタビュー本

現代キューバ女性作家インタビュー集が届いた。

López-Cabrales, María Del Mar, Arenas cálidas en alta mar: entrevistas a escritoras contemporáneas en Cuba, Editorial Cuatro Propio, Santiago, Chile, 2007.

とりあげられるのは9名で、以下のとおり。

Nara Araújo(1945年生まれ)
Anna Lidia Vega Serova(1968年生まれ)
Esther Díaz Llanillo(1934年生まれ)
Luisa Campuzano(1943年生まれ)
Marilyn Bobes(1955年生まれ)
Adelaida Fernández Juan(1961年生まれ)
Mylene Fernández Pintado(1963年生まれ)
María Elena Llana(1936年生まれ)
Mirta Yáñez(1947年生まれ)

著者ロペス=カブラレスはスペイン人で、現在アメリカの大学で教えている。本の版元はチリ。

作家の生年を付してみたら、1930年代生まれから60年代生まれまで、万遍なく作家が選ばれている。全員キューバに在住している作家だ。

著者が自らキューバに渡って直接インタビューした内容と、メールによるインタビューがあるが、大半は対面で行なわれている。

導入として「キューバ・フェミニズムの問題群ーキューバの女性と彼女たちが成し遂げたこと」がおかれている。インタビューに先立って、著者による短い解説がある。

2015年12月23日水曜日

バルセロナ――グラシア地区(Vila de Gràcia)、ダイヤモンド広場(La plaça del Diamant)

スペインの総選挙が終わって、パブロ・イグレシアスさんのPodemosが躍進したとのニュース。日本でも彼に注目・心酔しているがいる。

忘れないうちに書いておきたいバルセロナの一地区がある。

グラシア地区(Vila de Gràcia)。

ディアゴナル通りの北側で、Google Mapで検索すると、このように示される。あるキューバ作家はこの地区に住んでいるのだと聞いた。

もともとはバルセロナとは切り離された村(pueblo)だったようだが、いまは完全にバルセロナの一部である。

「彼女は(中略)最後の避難場所として、 すでにバルセローナの拡大によって飲みこまれてしまっている古くからの上品な村グラシアを選んだ。」(ガルシア=マルケス「悦楽のマリア」)

とあるように、かつては「村」だったようだ。

ちなみにガルシア=マルケスがバルセロナで住んでいたのは、Sarrià地区のCapotana通りだが、この短篇ではグラシア地区住まいの女性が出てくる。

グラシア地区には時計広場なんていうのもある。コロンビアのカルタヘナの時計広場を思い出したりする。

グラシア地区について書いたブログはたくさんあって、たとえばこういうもの

しかしグラシア地区にある「ダイヤモンド広場」を題材に採る以下の本のことを知らなかった。

マルセ・ルドゥレーダ『ダイヤモンド広場』(朝比奈誼訳、晶文社)

女性作家がカタルーニャ語で1960年に亡命先のジュネーヴで書いた作品。

「町内のお祭りの日がやってきた。キメットは、ダイヤモンド広場で踊ろう、そうすればお前[クルメータ]が花束をもらえるなどと言っていた(…)。」(p.39)

このお祭りの日というのは、グラシア地区で8月に催される祭りのことだ。 クルメータとキメットはこの祭りで知り合う。

今年のイベントはこんな感じ

2015年12月12日土曜日

作家はどうやって小説を書くのか?

翻訳家の青山南さんが、すばらしい翻訳書を出した。雑誌『パリ・レヴュー』に掲載された作家インタヴューを青山さんが選んで訳したもの。2巻本で、800頁近くある。岩波書店刊。

第1巻が「作家はどうやって書くのか、じっくり聞いてみよう!

第2巻が「作家はどうやって書くのか、たっぷり聞いてみよう!



ラテンアメリカ作家はボルヘス、ガルシア=マルケスが入っている。
来週、一回限りの講義で話題に出すトルーマン・カポーティも。