2017年10月21日土曜日

近況2

先日は下北沢の本屋B&Bでトークイベントがあった。

青山南さんの新著『60歳からの外国語修行ーーメキシコに学ぶ』の刊行記念である。


その時に本を何冊か持って行ったのだが、そのうちの一冊は以下のもの。青山さんが著書で触れている。

Edmundo Valadés, El libro de la imaginación, Fondo de Cultura Económica,
México, D.F., 2015.



メキシコシティに関わったさまざまな文学者については、『エル・パイース』に記事がある。2016年3月30日付。題して、México era una fiesta.

ケルアックのメキシコシティ、『トリステッサ』。土曜の夜の雨のメキシコシティ。



ボラーニョがメキシコ時代に書いた詩「Lupeルーぺ」。この詩は売春婦を歌っている。

ボラーニョのメキシコ時代は以下の写真集が素晴らしい。

Dunia Gras, Leonie Meyer-Kleuler, El viaje imposible: En México con Roberto Bolaño, Tropo Editores, Zaragoza, 2010.



ケルアックとボラーニョのメキシコシティが時代を超えて重なり合う。

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来週は東京外大でこのようなイベントがある。 そして11月に入ると、12日には日本コンラッド協会第3会全国大会がある。こちら

2017年10月9日月曜日

近況

立命館の国際言語文化研究所の連続講座があった。

まず、『現代思想』2011年7月号の「特集 海賊 洋上のユートピア」を読んだ。ここには大西洋史における海賊、海に生きる人々を現代の我々がどう捉えるべきかが紹介されている。素晴らしい特集である。

コメントするにあたって以下の文献に目を通した。
①Francisco Mota, Piratas en el Caribe, Casa de las Américas, La Habana, 1984.



②Peter Linebaugh and Marcus Rediker, La hidra de la revolución: marineros, esclavos y campesinos en la historia oculta del Atlántico, Crítica, Barcelona, 2005.

③マーカス・レディカー『奴隷船の歴史』(上野直子訳)、みすず書房、2016.
ちなみに、この本はスペイン語版がある。手元にはないが書誌情報は以下のとおり。Rediker, Markus, El barco de esclavos: Una historia humana, Imagen Contemporánea, La Habana, 2011.

④ボルヘス『汚辱の世界史』岩波文庫


⑤Rafael Rojas, "El mar de los desterrados", Madrid habanece, Iberoamericana, Madrid, 2011.



このロハスの文章は、ラテンアメリカ文学が陸と海をどう見ているのか、ヒントを与えてくれた。

⑥レイナルド・アレナス 「海はぼくたちのジャングル、ぼくたちの希望」(坂田幸子訳、『ユリイカ』1999年9月号)



⑦エベルト・パディーリャの詩「海のそばの男 El hombre junto al mar」

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翌日は日本ケベック学会のシンポジウムに顔を出し、初めてケベックの文学について学ばせてもらった。1960年代の「静かな革命」、ガストン・ミロンという詩人など、まったく知らなかったが、面白い話がたくさん聞けた。 

しかし、「ヌーベル・フランス」のことを本当に何も知らずにここまで来てしまったが、アメリカ大陸の文学について再考する必要を改めて思い知らされた。