今回のマドリード訪問の唯一の目的はウィフレド・ラム展をソフィア王妃芸術センターで見ることだった。
この展覧会はポンピドゥー、テート・モダン、ソフィア王妃芸術センター3館の共同企画。
ポンピドゥーでは2015年9月から2016年の2月15日まで、マドリードが4月6日から8月15日まで、そしてこのあとテート・モダンで9月14日から来年1月8日まで。
マドリードの開催はあと10日で終わるので駆け込み鑑賞だが、それほどの人ごみではなく、ゆっくり見ることができた。
ラムはニコラス・ギジェンと同じ1902年に生まれている。亡くなったのはギジェンより7年早い1982年。
展覧会は初期のキューバ時代に始まり、ピカソなどと交流したヨーロッパ時代、そして晩年まで余すことなく見せてくれる。彼が制作したテラコッタも。
家族が提供したフィルムによってプライベートなラムの姿、また、エメ・セゼールやブルトン、レリスなどとの写真も。
カタログはこれ。
Youtubeで今回の展覧会を実現したCatherine Davidがポンピドゥーでインタビューに答えている映像があったので見た。こちら。
映像を見るとわかるように、パリでは『ジャングル』が展示されている。巡回展でも内容が違うらしく、マドリードでのみ展示されている絵もある。
ソフィアには『ジャングル』は来ていない。上に載せた写真にある緑の絵が『ジャングル』と同時期に描かれたもので、たぶん今回ソフィアにある展示のなかではいちばん華がある。
カタログには、どの絵がマドリードで展示されたのか、あるいはされていないのか、印がついている。
キューバ出身で亡命してパリ住まいの作家ソエ・バルデスのブログにはポンピドゥーで『ジャングル』を見たというエントリーがあって、91年と2015年に絵の前で撮った写真がある。
ソエによれば、MOMAに行っても『ジャングル』が展示されていなかったことがあるそうだ。となれば、2012年2月にMOMAで見られたというのは幸運なのかもしれない。
カタログとは別に、キューバのアヴァンギャルド芸術画集があった。イタリアの展覧会のカタログ。
Cuba: Vanguardias 1920-1940, Generalitat Valenciana, 2006.
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