2025年7月4日金曜日

7月4日

ガルシア=マルケスの語りの声は、政治制度に対しても、覇権的権力の倫理的な基盤に対しても、不遜であることで知られている。しかしその不遜さは、男性が女性に対して有する特権の神話を解体するにはいたらない。すなわち、男性性を能動的な性、攻撃性、知的探求、公的権威と並び立たせ、女性性を介護者や家事労働に矮小化するような伝統的ジェンダー階層は、彼の世界では自然化された要素である。とはいえ、逆説的なことに、彼の作品の女性たちが服従を許さない性格を持っていることも、彼のナラティブの際立った要素である。ガルシア=マルケスの女性たちは、本来的に従順ではないし、喜んで言いなりになっているわけではない。女性たちが家父長制的な期待を破ろうとする姿が描かれることで、ガルシア=マルケス世界にははからずも、カリブとラテンアメリカにおけるジェンダーと権力に内在する矛盾があらわれているのだ。(Nadia Celis-Salgado, The Power of Women in Gabriel García Márquez's world)

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