2025年7月12日土曜日

7月12日

カーラ・コルネホ・ヴィラヴィセンシオは書いている。「フロリダで保険に入っていない不法移民が経験することは、ほかの無保険の人びとのそれとさほど異なるわけじゃないけれど、それでも決定的な違いがあって、たとえ余裕があっても不法移民は保険を購入できない。この国をはじめどの西欧諸国でも右派が悪霊[ブギーマン]とみなすのは、病気の移民というイメージだ--健康保険制度への負担とされるもの、救急救命室や納税者にとってのお荷物。これを信じる人の考えを変えることにわたしがほとんど関心のないことは、何度でも言っておきたい。外国嫌いの人間[ゼノフォーブ]の考えを変えることを期待されるくらいなら、カミソリの刃を飲みこんだ方がまだまし。それでもこの病気の移民というブギーマンには興味があったから、わたしは調べてみようと思い立った」(カーラ・コルネホ・ヴィラヴィセンシオ『わたしは、不法移民 ヒスパニックのアメリカ』池田年穂訳、慶應義塾大学出版会(84-85ページ)

自ら不法移民としての経験を持ち、その後ハーヴァード大学で学んだ著者は、本書を「クリエイティブ・ノンフィクション」と呼ぶ。「綿密な取材に根ざし、詩のように翻訳され、選択された家族によって共有され、ときに読むのが苦痛な本だ。ひょっとしたら読者の皆さんは好きになれないかもしれない」(13-14ページ)

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