監督はフリオ・ガルシア・エスピノサ。
ICAICが創設されて間もない1960年、革命最初期の映画である。
革命より前の時代のハバナという設定。
資金力がない夫婦が15歳になる娘の誕生日を盛大に祝おうとする。当然多くの困難に出会う。場所にしろ音楽にしろ、立派な客を招待するので恥をかきたくない。
15歳の誕生日と言えば、娘が父とワルツを踊るのが定番で、メキシコで一度出たことがあるが、それはそれはかなりのイベントだった。
あくまでブルジョア家庭並みの誕生会を開きたい母親フローラ。彼女はどんどん妄想を膨らませ、おかしくなっていき、夫の上司にまで借金を頼む。娘にも階級が上の男を用意しようとする。それに対し、夫ラモンは気弱で、妻に振り回される。娘には相思相愛の恋人がいる。
そういえば、グティエレス=アレアの『12の椅子』も椅子探しにどんどん深みにはまっていく話だった。『ある官僚の死』もそうだ。
この『キューバは踊る』はメキシコ・キューバの合作で、プロデューサーにマヌエル・バルバチャノ・ポンセの名前がある。メキシコの映画人で、ブニュエルの映画や、ガルシア=マルケス原作の映画も制作している。
気づいたのだが、カルロス・フェンテスの短篇「純な魂」の映画も彼が作っている。『Los bienamados』というもので、2部構成。前半がフアン・ガルシア・ポンセの「タヒマラ」、後半がフェンテスの短篇だ。
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