2017年5月4日木曜日

キューバ文学:サムエル・フェイホー

サムエル・フェイホー(Samuel Feijóo)はキューバの作家。1914年生まれで1992年没。

農村や民衆に伝わる小話や神話などを収集している。絵やイラストも書いている。 雑誌「Islas」や「Signos」を編集出版した。

1960年代にソ連に行き、かなり長い紀行を雑誌「Islas」に掲載しているらしいのだが、それは手に入らない。

彼の原作で映画化されたのが『Aventuras de Juan Quin Quin』(フリオ・ガルシア・エスピノサ監督、1967年)。

手元にあるのは収集した民話を集めた以下の2冊。

Cuentos populares cubanos de humor, Letras Cubanas, La Habana, 1981.

Mitología cubana, Letras Cubanas, La Habana, 1996[1986].

民話を一つ。

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「悪い主人」

黒人奴隷が主人と田舎を歩いていた。橋を渡るとき、主人が川に落ちる。泳げない主人は黒人に叫び始める。
「おい、黒んぼ、助けてくれ。自由にしてやるから」
黒人はそんな約束に喜んで、助けてやる。しかし主人は約束を守らない。
別の機会にまた同じことが起きる。主人は約束し、奴隷が助け、やはり主人は約束を守らない。
3度目、主人は溺れかかり、 奴隷に自由を約束する。奴隷は主人に言う。
「もし助けて欲しいなら、川の中でサインしな」
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フェイホーという名前はアルモドバルの映画『ジュリエッタ』にも出てきた。ガリシアの漁師だという男の姓がフェイホーだった。

映画『ムーンライト』でシャロンの育ての親になるフアンはキューバ人で、彼がシャロンに語る月光の青さ(ムーンライト)は多分キューバで聞いた話なのだろうと思う。ケヴィンはマイアミでレストランを開くが、それはどうやらキューバ料理レストラン。

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