「仕事の日」「恋人たち」「新年」の3部からなる映画。1962年。
表題にある通り、1958年のキューバ。
「仕事の日」と「恋人たち」の監督はスペイン人ホセ・ミゲル・ガルシア・アスコー。ガルシア=マルケスが『百年の孤独』を捧げた人物である。
「仕事の日」は警官が夜のパトロールを行った様子をドキュメンタリー風にまとめたもの。ドラッグストア、賑やかなナイトクラブ、娼館などをめぐり、警官が闇世界と通じていることが知らされる。革命前のハバナの享楽的な雰囲気だ。パトカーの中ではラジオの野球中継が流れている。最後はハバナ大学の大階段のところで学生デモを取り締まる。
次の「恋人たち」では、政府軍に追われている男が、革命軍に合流するために連絡係を待っている。舞台(あるいは撮影された場所)はサンティアゴ・デ・クーバらしい。危険を逃れるために恋人役を一人つけてもらう。その二人が過ごす一日。男の方を演じているのはセルヒオ・コリエリ(『低開発の記憶』のセルヒオ)。夜があけ、男はシエラ・マエストラに向かう。女との別れの場面で二人は初めて本名を伝え合う。
「新年」は警察署で三人の警官が地下の拷問部屋(?)で男を拷問をしていると、サイレンが聞こえる。電話で知らされたのは、バティスタが亡命し、革命が勝利したことだ(1959年1月1日)。さて三人はどうするか。逃げるのか、それとも… 三人がいた地下室は一瞬にして牢獄に変わり果てる。脚本に『ベルチリオン166』のホセ・ソレル・プイグが参加している。監督はホルヘ・フラガ。
この「新年」をグティエレス=アレアの『革命の物語』に入れるかどうかで議論があったが、結局入らず、ホセ・ミゲル・ガルシア・アスコーの撮った2本とまとめられた。
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