この秋、9月17日から公開されるアルゼンチン映画『エル・クラン』を見る機会をもらった。オフィシャルサイトはこちら。
アルゼンチンの軍政期(76-83)の終わりごろに起きた事件をベースにしている。しかし「娯楽作品」ではあるので、そういう風に楽しんでもいい(実話の深刻さと娯楽性の双方に目配りした作品ととらえたい)。
その娯楽性、フィクション性(映画性)の成立に多いに貢献しているのが製作に名を連ねているスペインのアルモドバルなのではないか。
去年公開された『人生スイッチ』でも同じようにアルモドバルの名前があったが、アルゼンチン映画にはこのような流れを生む背景があるのだろうか?
内容については公開前なのであまり触れられないが、アルキメデス・プッチオを演じるギジェルモ・フランセーヤ(フランセージャ)は私の記憶ではコメディばかりに出ていたので、シリアスな演技をしているだけで新鮮、あるいは不気味だった。
舞台はサン・イシドロ地区で、ここはブエノスアイレス郊外の高級住宅地だ。文芸誌『エル・スール』を創刊したビクトリア・オカンポの邸宅もある。Villa Ocampoは現在博物館。すてきな場所なので、チャンスがあればもう一度行きたい。ここで、いまは亡きメルセデス・ソーサを見た。
こういう地区で起きたから、なおのこと事件の突飛さ、異常さが際立ったはずだ。えっまさかという反応だ。
一度目は前情報なしに、二度目はプログラムなどを読んでから見るといいと思う。
アルキメデスの妻エピファニーアのことが気になってしょうがない。彼女は何を思っていたのか?
悪事を企む男が車を運転しているシーンで、直接彼を映すのではなく、バックミラーに映る姿を撮っていた。彼を追跡していた警察側の視線だろうか?
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