『第三帝国』柳原孝敦訳、白水社。
全404ページ。
「窓越しに潮騒に混じって、夜を明かして帰る者たちの笑い声やおそらくテラスのテーブルをウェイターたちが片づけている音、ときどき海岸通りをゆっくりと走る車のエンジン音、ホテルの他の部屋から聞こえる何の音かはわからないがくぐもったブーンという唸りなどが入ってくる。」
これが冒頭。
この小説の舞台はブラーナスがモデルになっているという。ブラーナスを訪れた人なら、あるいはカタルーニャのあの地中海沿いの小さな街を訪れた人なら、この一行だけでなんとなくぴんとくるかもしれない。
ブラーナス。
地中海に面した、のどかな、でも賑やかで、日差しがとてもまぶしくて、小さな街のなかで大きな構えの白い図書館が印象に残る。窓からさんさんと陽光が降り注いでいて、本が傷まないのだろうかと思った。
一行目からすっかり虜になってしまったので、ブラーナスの写真を載せておく。追想のブラーナス。
図書館
海岸通り
ゲームセンター
最後の写真の右にある赤いプレートが「ボラーニョ・ルート」の看板で、これを順番にたどると、ボラーニョゆかりの場所を訪ねることができる。そしてブラーナスの中心街もだいたい頭に入る。
途中、ルートを少し外れてアイスクリームを食べた。とても美味しかった。
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