2015年8月1日土曜日

プエルトリコ映画(1)Casi Casi

プエルトリコ映画

原題:Casi Casi「あともう少しのところで」
監督:Jaime VallésとTony Vallés(兄弟)
制作年:2006年

学園もののコメディ。GTO風のドタバタで、大人向きではない映画のような気もする。

エミリオはこれという特徴のない男の子。仲間のアルフレド(パソコンオタク)らといたずらばかりをしていて、厳格な女性校長にいつも呼び出されている。その割に、ひそかにエミリオに恋心を寄せるマリア・エウヘニア(アナウンス部の優等生)や何人かの女の子たちと放課後いつもつるんでいる。

その彼が学校の人気者のジャクリーンに一目惚れしたが、まったく相手にされない。

そこで彼は生徒会長に立候補し、目立とうとする。そうすればジェクリーンが振り向いてくれると思ったわけだ。ところがふたを開けてみたら、ジャクリーンは対立候補だった。選挙運動がはじまり、エミリオは仲間の応援もあって楽しく準備する(ここで、サン・フアンの要塞で写真を撮ったり、カフェで談笑したりする場面が、サルサ音楽とともに展開する。)マリア・エウヘニアらがスクリプトライターをつとめ、すばらしいスピーチを用意してくれる。

おかげでエミリオは当選が見えてくる。しかし当初の目的はジャクリーンを振り向かせることにあったわけで、エミリオが勝ってしまえば、逆効果になる。そこでエミリオは当選しない方法がないかどうかを友人たちに相談する。

仲間はこれまでエミリオを応援してきたためにがっかりするが(とくにマリア・エウヘニアはひどく落ち込む)、エミリオがジャクリーンとうまくいくためであればと、ジャクリーンを勝たせる方法を探す。

選挙はアルフレドが開発したシステムを使ったコンピューターによる投票のため、集計のときにコンピューター室に忍び込めれば、手を加えられることがわかる。開票寸前で操作してジャクリーンを勝たせ、エミリオは彼女からの好意を得るはずだった。

いよいよ開票当日、コンピューター室で彼らは結果の工作に挑む。しかし不運も重なって多くの障害に出会う。とくに厳しい女性校長に露見しかけ、あともう少しのところで計画はおじゃんになりかける。といっても、なんとか乗り越えて、最終的にジャクリーンが当選するよう開票結果に手を加える(実際の結果はエミリオが勝っていた)。

その後、エミリオは、自分が勝ちたくないから譲ったんだとジャクリーンに打ち明ける。しかし期待とは裏腹に、ジャクリーンはそのことに何の恩義も感じずに、勝ったことに喜んで、取り巻きたちと去っていく。

こうしてぼくたちの青春は終わったーーー的な感じで映画はエピローグに入る。

夏を迎え、エミリオはいつもの仲間と喫茶店でだべっている。ひとり列に並んで注文しているとき、ふと目を上げるとガラス窓越しにマリア・エウヘニアが見える。彼女と目が合い、自分が彼女のことが好きであることに気づく。

最後のオチとして、厳格な女性校長がワルっぽい男のバイクにまたがってあらわれて、エミリオらを仰天させる。

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