プロデューサー:Benicio Del Toro(ベニチオ・デル・トロ)
監督:Carlos Ruiz とMariem Pérez
制作:2007年
プエルトリコの映画だが、それに気づかずに見てしまうこともありうる。
北アメリカのどこかの田舎にある貧しい地区のような、そういうテイストがある。人の太り方や振る舞いにどこか北アメリカ的なところがあるように感じる。
といって、こういうアメリカ的な世界がスペイン語で展開する地域があるかというと、やはりプエルトリコということか。
3つのカップルの話。
①老夫婦(フローラとシリーロ)のところに、妻のほうの元夫(ペジン)が転がり込んでくる。シリーロはペジンを追い出したくて嫌がらせをするが、うまくいかない。3人で喧嘩しながら暮らしていく。
②郊外の開発区に暮らす中年夫婦(40代くらい。イスマエルとルールデス)とひとり息子(イスマエリート)。夫が妻の親戚と浮気していることがわかる。くだらないことで浮気が発覚し、妻が浮気相手に会うのが葬式だったりする。妻は発狂、夫は浮気相手と駆け落ち。その合間に子供は近所の女の子と仲良くなっていく。
③女性のバス運転手に恋をした男(20代後半か30代前半の引きこもり)が、バスを乗っ取り、運転手に結婚を迫る。警察に取り囲まれ、乗客にも説得されるが、後に引けず発砲して、刑務所行きになる。
この3つが交錯するように進む。暑さとじめじめした雰囲気が全編に横溢している。どの人間関係も常に不安定で、うまくいっていない。爆発して関係を解消してもスカッとするわけでなく、また新たな関係のなかで、同じようなイライラの局面に戻りそうな無限ループが予想できる。
この「変わらなさ」や「どこにも行けない感じ」を、プエルトリコと読んでいいのかどうかはわからないが、いまのところはそう見ている。
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