2019年9月14日土曜日

溢れ出る新しい過去、今だから言える過去

1960年代、70年代のラテンアメリカ文学がどのようなエピソードに満ちているのかを若いジャーナリストが調べて書いた。

著者は1969年生まれ、バルセロナ出身。年齢と場所を生かした、古いけれども新しい「あのブームの時代」の語り直し。

この本は、2014年に最初の版が出たのだが、その後新しいデータなどが発見されたので、この2019年に改訂版が出た。最初の版を見ていないのだが、こちらは560ページもある。

鈍器とまでは言わないが、分厚い。

有名な写真(カルロス・バラル、ガルシア=マルケス、バルガス=リョサが写っているものとか)も収められているが、著者が2005年にメキシコのガルシア=マルケスを訪問した時のスナップ写真とかもあったりする。

Xavi Ayén, Aquellos años del boom: García Márquez, Vargas Llosa y el grupo de amigos que lo cambiaron todo, Debate(Penguin Random House Grupo Editorial), Barcelona, 2019.



さてその一方で、当事者が、今だから(こそ)言える過去を本にしたのがこちら。

語り手は、レジス・ドブレとエリザベス・ブルゴスの娘ローランス・ドブレである。1976年パリ生まれ。

このドブレとブルゴスの二人にも、上の本のように「あのドブレ、あのブルゴス」とつけてもいいような気がするが。

題して『革命家の娘』。



Laurence Debray, Hija de revolucionarios, Traducción de Cristina Zelich, Anagrama, Barcelona, 2018.

この本についてはまた別の機会に。

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