2019年9月11日水曜日

マヤコフスキーとハバナ

マヤコフスキーがハバナに降り立ったのは、1925年7月初頭のことだった。

7月3日付の手紙で「いま、僕たちはキューバ島(タバコの島)に近づいているところだ」と書いている。

立ち寄っただけで、すぐにメキシコに行ったようだ。というのも7月9日にはメキシコシティに着いているからだ。メキシコシティではディエゴ・リベラと会っている。

とはいえ、ハバナで見た光景を詩にした。

タイトルは「ブラック・アンド・ホワイト」という。『マヤコフスキー選集』(飯塚書店、1964年)で読むことができる(小笠原豊樹、関根弘訳)。

「もしも
    ハバナを
        ちらりと見れば、
 極楽の国、
     満ちたりた国。
  棕櫚の下、
     一本足で
        立つフラミンゴ。
 べダドいちめん
        コラリオの
            花が咲く。
 ハバナでは
     あらゆるものの
           区別が明瞭。
 白人にはドルがあり、
         黒人にない。(後略)」

マヤコフスキーの似顔絵を、キューバの画家マリオ・カレーニョが描いた。

それから36年後の1961年、ロシアの詩人エフトウシェンコもハバナに降り立った。そして「マヤコフスキーへ」という詩を書いた。

「ハバナを ひと目 みるならば
 至るところ 街角に立っている
           ぼくの友だちー」
 (『エフトウシェンコ詩集』草鹿外吉訳、飯塚書店、1973年)

このエフトウシェンコという人、スペイン語では、Yevtushenkoと書く。

[この項、続く]

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