2016年10月6日木曜日

コロンビア、和平合意の行方

コロンビアの和平合意について、国民投票では予想外の結果が出た。

8月の終わりに和平合意がほぼ決まった時点での毎日新聞の記事には、「賛成派が多数」とある。

作家のフアン・ガブリエル・バスケスは9月2日インタビューに答え、「43年生きてきて、コロンビアのことがこれほど誇らしいと思ったことがない」と興奮していた。インタビューはこちら

しかし蓋を開けてみたら、真っ二つに国論は分かれていた。現地に住む知り合いのコロンビア人も驚くべき結果だと言っていた。 つまり、多くの人が賛成に回ると思っていたのだ。なのに「ノーが勝ったのだ(El No ganó.)」。

作家のエクトル・アバッド・ファシオリンセの分析がスペインの「エル・パイース」紙に掲載された。こちら。Brexitの時と同じように、ポピュリズム的扇動によってノーに投票する人が増えたと言っている。コロンビアのボリス・ジョンソンはアルバロ・ウリベである。前大統領である彼は父をFARCに殺害された。

ウリベが大統領だったのは2002年から2010年。2002年の大統領選ではイングリッド・ベタンクールが出馬して、選挙戦の途中でFARCに誘拐された。彼女が救出されたのは2008年。彼女も和平合意を喜んでいた。9月22日のインタビューはこちら

エクトル・アバッドは父を準軍部隊に殺害された。それでも「もう自分は犠牲者とは思っていない」というタイトルのエッセイを寄せたのが 、バスケスがインタビューに答えたのとほぼ同じ時(9月2日)、「エル・パイース」紙である。ここで彼は「賛成に投票する(votar por el sí)」と書いている。その文章はこちら

[この項、続く]

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