2016年4月1日金曜日

ラテンアメリカ作家短篇集(1)ユダヤ篇

ラテンアメリカ作家の短篇集は数多出ている。とくに21世紀に入ってから。

そのなかで本棚に隠れていて最近出て来たものを一冊。

González Viaña, Eduardo(ed.),  Cruce de fronteras: antología de escritores iberoamericanos en Estados Unidos, AXIARA Editions, Miami, 2013.

表題からわかるのは、アメリカ合衆国に在住するスペイン語圏出身作家の短篇集であること。

似たようなアンソロジーとして、この本はもはや古典と言える。

作家名を挙げておこう。カタカナ表記は原則スペイン語読み。

Marjorie Agosín マルホリエ・アゴシン チリ系アメリカ人

Daniel Alarcón ダニエル・アラルコン 日本語では説明不要の作家

Gioconda Belli ヒオコンダ・ベジ(ジオコンダ・ベリと読んでいる人もいる) ニカラグア出身

Alicia Borinsky アリシア・ボリンスキー ブエノスアイレス出身

Giannina Braschi ジアニーナ・ブラスチ(この人名表記はどこかで発音されていたものを踏襲)プエルト・リコ出身

José Castro Urioste ホセ・カストロ・ウリオステ ウルグアイ出身

Sergio Chejfec セルヒオ・チェフフェック ブエノスアイレス出身

Ariel Dorfman アリエル・ドルフマン チリ出身

Teresa Dovalpage テレサ・ドバルパへ ハバナ出身

Juan Armando Epple フアン・アルマンド・エップレ チリ出身

Alberto Ferreras アルベルト・フェレーラス マドリード出身

Eduardo González Viaña エドゥアルド・ゴンサーレス・ビアーニャ ペルー出身(本アンソロジーの編者)

Eduardo Halfon エドゥアルド・ハルフォン グアテマラ出身。この作家の邦訳出版が予定されている。彼の作品をはじめて読んだのはもうかなり前。10年ぐらい前のような気がする。

Gisela Heffes ヒセラ・エッフェス アルゼンチン出身

Jaime Manrique ハイメ・マンリケ コロンビア出身。邦訳に『優男たち』。

Pedro Medina ペドロ・メディーナ ペルー出身

Ana Merino アナ・メリーノ スペイン出身

Antonio Muñoz Molina アントニオ・ムニョス・モリーナ スペイン出身

Julio Ortega フリオ・オルテガ ペルー出身

Edmundo Paz Soldán エドムンド・パス・ソルダン ボリビア出身

Gerardo Piña Rosales ヘラルド・ピーニャ・ロサーレス スペイン出身

Roberto Quesada ロベルト・ケサーダ ホンジュラス出身

Armando Romero アルマンド・ロメロ コロンビア出身

Rose Mary Salum ロセ・マリー・サルム メキシコ出身

Alejandro Sánchez-Aizcorbe アレハンドロ・サンチェス・アイスコルベ パナマ出身

書き出して気づくのは、ユダヤ系作家ばかりということだ(全員がそうだと確かめたわけではないが)。

そもそも本書はペルーのユダヤ系作家イサック・ゴルデンベルグ Isaac Goldemberg に捧げられている。1945年ペルー生まれで、アメリカ合衆国在住のユダヤ系作家だ。

となるとこのアンソロジーは、以下の本とあわせて読むべきかもしれない。

Stavans, Ilan(ed.) Tropical synagogues: short stories by Jewis-Latin American Writers, Holmes & Meier Publishers, New York, 1994.

この本にはそのイサック・ゴルデンベルグのほか、アルベルト・ヘルチュノフ(アルゼンチン)、モアシル・スクリヤール(ブラジル)、クラリス・リスペクトール(ブラジル)、マルゴ・グランツ(メキシコ)らが収められている。


0 件のコメント:

コメントを投稿