2015年10月20日火曜日

キューバ映画(7)の2 『ザ・キング・オブ・ハバナ』(続き)

『ザ・キング・オブ・ハバナ』の監督アグスティ・ビジャロンガのインタビューがあったので、それを読んでみた。以下はそのなかから少しだけ翻訳したもの。
 
「ぼくはキューバ人じゃない。でも週末だけキューバで過ごしたというわけじゃない」

「ウォルター・サレスのように、もっとスタイリッシュにあの(キューバの)現実を説明することはできるし、そうすれば耳を傾けてくれる人も、もっと増えるかもしれない。でもぼくは、ぼくが見たものが映画に映し出されることを望んだ。人はセックスをして、クソをして、小便をして、足は臭い。なぜならそういうものだからだ。キューバにいて、高級ホテルから一歩も出ずにそれを見ない人もいる。でもそれはそこにある。映画のなかで重要なのは、物質的な貧しさがいかに人々とその生き方に影響を与えてしまうかということだ。」


「ぼくが語りたいのは、ペドロ・フアン・グティエレスのように陽気な人間が語る汚らしい現実だ。そういう世界を真正面から見たくない人はそれでいいと思う、でもこの映画は別の方向は見ていない。」

「キューバは色鮮やかなところじゃない、ジャマイカではない。とてもヨーロッパ的だがひどく落ちぶれている。」

「(ストーリー)はもちろん、少しばかりセルバンテスの『リンコネーテとコルタディーリョ』や『ラサリーリョ・デ・トルメス』、『ハックルベリー・フィン』のようにピカレスク小説を思わせる。」


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