2026年3月20日金曜日

3月20日

ホセ・レサマ=リマには妹エロイーサがいた。彼女はついこの前と言ってもいい2010年、91歳でマイアミで亡くなった。マイアミにいる彼女に宛てて、兄ホセは1960年代を通じ、亡くなる1976年まで手紙を書き続けた。その手紙に基づいて、彼の晩年を再現したドキュメンタリーが『エロイーサへの手紙』だ。60分に満たない短い映像だが、丁寧に作り込まれている。『パラディーソ』の刊行やそれが巻き起こしたスキャンダル、表舞台から徐々に姿を消しながらも、コルタサルのおかげで欧米で評価されたことなどが、多くの証言者から語られる。バルガス=リョサの証言はだいたいどこかですでに彼が言っていることとはいえ貴重だし(彼の甲高い声)、私も愛読した文芸評論家エンリコ・マリオ・サンティやアントニオ・ホセ・ポンテも熱く語っている。映像の中で、レサマ=リマがレイナルド・アレナスと映っている写真が出てくる。4人が映るその写真のアレナスはかなりいい男である。長袖の縦縞のシャツの裾を細身のズボンにいれ、後ろで手を組み、少しカールした黒髪が額にかかっている。真面目な目線がこちらのレンズを向いている。右横の白いシャツ姿のレサマは、いつもの通りちょっとしかめっつらで別の方に目を向けている。全員革靴を履いているから、何かのイベントに出かけようとしているのだろうか。ひょっとするとレイナルド・アレナスが『夜明け前のセレスティーノ』でUNEAC文学賞を受賞したときのセレモニーに向かう時かもしれない。そうか、今年2026年はレサマの没後50年である。

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