El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
2026年1月31日土曜日
1月31日
2026年1月29日木曜日
2026年1月25日日曜日
1月25日
東京国立近代美術館で「アンチ・アクション展」。展覧会場をまわっていくと、見開き2ページの解説文をピックアップできて、全部で14篇の「別冊アンチ・アクション」が出来上がる。
「抽象絵画は外界を再現する役割から解放され、素材と空間により見る人との間に出来事を起こす場となったのだ。したがって見る側は、作品に何が描かれているかではなく、作者が画面上で何をどう行ったかに、まずは目を向ける必要がある」(江上ゆか「それぞれの(アンチ・)アクション=制作行為」)
コレクション展では、新たに所蔵された岡崎乾二郎の以下の二つの作品が素晴らしい。
「屋根の熱気に吹きつけられ、祖父の顔は頭蓋骨のようにもう色褪せて見える。ところで彼は何といったのでしたっけ?灼熱の焼きごてを眼に入れられようとしたときに。「僕の美しいお友達、火よ。もう少しやさしくお願いします」。大丈夫。安心なさって。姉は日傘を取りにいき、祖父は指先をまるく尖った舌で冷やしていた。」
「背後から火事が迫ってきたとでもいうの、この顔の青さは普通じゃないわ、どうしたの?ぽつりと答えます。「惜しいと思うほどの物は捉まえようと追いかけず、一生惜しんで思い出せるようにしておいたほうがいいんだよ」。そうか。胡瓜の漬け方を、老婦人から習ったときみたいに、熟した実がひとりでに落ちる音を聞いた。」
2026年1月24日土曜日
1月24日
台北では台北ビエンナーレ2025(Whispers on the horizon)を台北市立美術館で見たのだが、その趣旨説明では呉明益『自転車泥棒』、候孝賢の『戯夢人生』、それに見たことのない陳映真の『My Kid Brother Kaonxing』が触れられていた。「From the cinema and literature of Taiwan, these are not mere stories; they are echoes of something deeper, something universal, something that reaches beyond their form.」
ガルシア=マルケスがエピグラフにあるのが呉明益の「歩道橋の魔術師」で、ニカノール・パラが引用されるのが「石獅子は覚えている」(どちらも『歩道橋の魔術師』)。
台北ビエンナーレで覚えているアーティスト:Ciou Zin-Yan, Anna Jermolaewa, Afra Al Dhaheri, Mohammad Al Faraj, Rana Begum, Wang Hsiang Lin, Shizuka Yokomizo, Chen Chih-Chi, Skyler Chen, Chen Cheng-Po, Fuyuhiko Takata, Kiriakos Tompolidis.
それから紀蔚然『台北プライベートアイ』(文春文庫)も。
2026年1月18日日曜日
1月18日
2026年1月8日木曜日
1月8日
ベネズエラ作家ではフリオ・ガルメンディアの「リンゴちゃん」という短篇が面白い。果物屋に並ぶ現地産のリンゴちゃんは元々売れ筋だったけれど、「北」から色合いの美しい匂い立つリンゴが届いてしまって、もう売れない。「もう私のことなんて誰も食べてくれないかも」。
絶望したリンゴちゃんは友だちに相談する。ヤシの実さん、バナナさん、アボカドさん、グアナバナさん(日本語だとトゲバンレイシ)、オレンジさん、トマトさん、パパイヤさん、パイナップルさん、ザクロさん、マンゴーさん・・・【この短編は果物の種類を学ぶのに優れている】
同情してくれる果物もあれば、突き放す果物もある。リンゴだけじゃなく、ヤシの実だってバナナだって「北」からその種類が届けば同じことになると不安を口にする者もいる。
リンゴちゃんは眠れなくなってしまった。かわいそうに翌朝、彼女は悲しみで死んでしまったのだった。友人の果物たちは彼女を埋葬する。
土の中で蛆虫さんに話しかけられるリンゴちゃん。「なんで死んじゃったの?」。リンゴちゃんは答える。「悲しくて。だって北からあの美味しいりんごが着いたので誰も私のこと好きになってくれないから。子供も小鳥も誰ももう私のことを好いてくれない。だったらなんで生きていられるの?」
でも蛆虫さんはリンゴちゃんにあるニュースを伝える。あの美味しそうなリンゴは暑さに負けて、すぐに腐っちゃうよ。それを聞いたリンゴちゃんは確かめに土から這い出て、頑張って果物屋さんに戻る。すると果物屋の主人はたった一日で傷んでしまったリンゴを見て驚いている。「たった一日で!」
それを見たリンゴちゃんは嬉しさのあまり笑って踊る。店の主人は北のリンゴを冷蔵庫に入れる。冷蔵庫にはブドウさんと梨さんもいる。リンゴちゃんは周りのみんなに戻ってきたことを伝え、友達と跳ね回る。北からのリンゴも許してあげる。だって同じ太陽と大地から生まれた果物なんだから。