2023年2月22日水曜日

2月22日 La casa verdeの難所(3)

 続いて1部3章では、パートが入れ替わっている。今まで3番目にあったサンタ・マリア・デ・ニエバの白人事業者たちのパートではない。小型船で軍人がどこかに到着したところから始まるパートが4番目に来ている。現在形の描写を中心としてそこに過去時制が混ざってくる文体的な特徴から見て、ここは2章のCと共通する。なので以下のように並んでいる。

A 伝道所

B フシーア 

D アンセルモ

C デルガード伍長(ボルハの駐屯軍から移動)

E リトゥーマ


それにしてもこのCパートはわかりにくい。1部1章Cに戻ってみると、舞台を読み違えていたことに気づいた。サンタ・マリア・デ・ニエバではなく、ボルハの駐屯地と思われる。

この1部1章Cで出てくるのは

el cabo Roberto Delgado(デルガード伍長):Bagua出身

el capitán Artemio Quiroga(キローガ大尉)

二人はボルハの駐屯地にいる。ボルハはサンタ・マリア・デ・ニエバからマラニョン川を下ったところにある。

下った、と書いたが、そもそもマラニョン川の流れる方向が感覚的につかみにくい。リマの右上(北東)のアンデス山脈の中のChingalpoあたりが源流で、そこから北西の方角に流れている。その後、このCにも出てくるバグア(Bagua)近くから北西に向かって下っている(Baguaはマラニョン川沿いの村ではない)。それからマラニョン川は最終的にはアマゾン川になる。

バグアあたりからますます下りながら(と言ったって、どれくらいの傾斜なのかわからないが)、ウラクーサ(Urakusa)やサンタ・マリア・デ・ニエバを通っていく。ちなみにUrakusaはUracuzaという綴りでも見つかる。

ウラクーサにはアグアルナ族が居住している。

1部1章Cは最初はサンタ・マリア・デ・ニエバでの話だと思っていたが、上に書いたようにボルハの駐屯地である。デルガード伍長がキローガ大尉に休暇申請して、案内人を連れて行きたいと希望すると、大尉と伍長のあいだで以下のように「会話」する。

Entre los reclutas que llegaron la semana pasada había un práctico, que se llevara a ése y a un sirviente que fuera de la región. Eso sí, tres semanas, ni un día más y el cabo ni uno más, mi capitán, se lo juraba. Choca los talones, saluda y en la puerta se detiene con perdón, mi capitán, ¿cómo se llamaba el práctico? Y el capitán Adrián Nieves y el cabo ya se estaba yendo que él tenía trabajo atrasado. (p.48)

「先週着いた志願兵の中に案内人がいるから、そいつと、その地方出身の使用人を連れて行け。そう、[休暇は]3週間で1日も延ばすな、すると伍長は1日も延ばしません大尉、誓います。踵を鳴らして敬礼して、ドアのところで立ち止まり、すいません大尉、案内人はなんという名前ですか?すると大尉はアドリアン・ニエベス、すると伍長はすでに出て行くところで、仕事が遅れているのです。」

こうして、1部1章Cから1部2章Cの最後(「ウラクーサで伍長と案内人とボルハの駐屯軍の使用人に起きたことを知らないのか?つい先週のことだよドン・フリオ、そして彼は何だ、何があったんだ。」)の繋がりが確認できて、これでようやく1部3章Cに入れる。

もちろん「繋がり」と言っても、読後に頭にふわっと残るストーリー展開が、その後の方でふわっと繋がっていくので、章ごとのCだけを取り出して繋げても繋がらない。




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