2020年3月9日月曜日

キューバのホー・チ・ミン

雑誌『Pensamiento Crítico』の1969年10月号(33号)の表紙は以下のように真っ黒の中に浮かび上がる白い髪と髭。


メガネを掛けたホー・チ・ミンであることがうっすらとわかる。ネットにはこんな写真があった。ベトナム人ならすぐにわかるのだろうか。本誌にはホー・チ・ミンによる「革命のために」がスペイン語で掲載されている。

キューバでのホーおじさんの紹介者はメルバ・エルナンデス。彼女が本号の序文を書いている。ベトナムやカンボジア大使を務めたらしいのだが、メルバといえば、革命闘士として有名だ。

ジャーナリストの伊高浩昭は1998年に彼女にインタビューしている(伊高浩昭『キューバ変貌』)。2014年の訃報記事は日本の新聞にも載ったくらいだ。

この3月のハバナ訪問で、ハバナ市創設500年がかなり大きく祝われたということがわかった。Tシャツのデザインにも「ハバナ500年」というロゴがあった。

そして本では、以下のようなものが手に入った。著者のアンヘル・アウヒエル(Ángel Augier、1910-2010)は故人だから、再版ということになるはずなのだが、やはり500年にあわせて出すのはいいと思う。



Ángel Augier, La Poética Habana: Cien poemas, Ediciones Caribe, 2018.

百篇の詩を通じてハバナの歴史を辿るというもので、単なる詩のアンソロジーではなく、ハバナを謳った多くの書き手の、これまた多くの詩を引用しながら街のあちこちを紹介してくれる。

キューバ人のみならず、外国勢では、以前に紹介したマヤコフスキーの詩もあるし、ルベン・ダリーオ、ホセ・フアン・タブラダ、アルフォンソ・レイェス、ウォレス・スティーヴンス、ラングストン・ヒューズ、ロルカ、フアン・ラモン・ヒメネスなども引用されている。

柳原孝敦の『メキシコDFーーテクストとしての都市』(東京外国語大学出版会)を思い浮かべながら読んでしまう。

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下は、例のウィルスのことでハバナ滞在中に顔を出した診察所。

 

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