2020年3月31日火曜日

3月31日、『コレラの時代の愛』

 昨日、大学からZoomアカウントの配布があり、正式版(Pro版?)を使えるようになった。今後は使い方について学んでいく。この先どうなるにしても、授業はできるようにしておこう。

 スペインの大学の先生と連絡を取っているが、買い物程度ぐらいしか外に出られない状態でもオンライン授業をしているとのこと。

 ここ数日、思い立ってガルシア=マルケスの『コレラの時代の愛』を、日本語では初めて通読してみた。スペイン語で初めて読んだのは今からほぼ20年前のことだ。年末のメキシコ、太平洋岸で、海を見ながら読み進めた記憶がある。その時はオベハ・ネグラ(Oveja Negra)というコロンビアの出版社から出ていた黄色い本で、あの頃ガルシア=マルケスといえばたいていはそれだった。なぜかその版は見つからない。

 そのあとも、日本語訳が出る前にもう一度読んだし、2006年に出た日本語版は、部分的に何度か読むこともあったのだが、最初から最後まで一気に読んでみると、思い出す細部あり、初めて読むようにして楽しめる箇所ありだった。

 せっかくなので授業でもこの本をネタに何かを話そうと思ってメモを取っている。映画版もあるけれども、どこを見せたら良いものか切り取り方も難しく、授業で使うのは難しいだろう。でもせっかく小説を読み終えたばかりだから、映画も見直しておこう。

 この小説を読んだら、引き続きフアン・ガブリエル・バスケスの『コスタグアナ秘史』を読むとなお面白いことは間違いない。

 どちらも19世紀から20世紀初頭と物語の時間も重なり合うし、何しろ『コスタグアナ秘史』では、コレラではなく黄熱病が猛威をふるっている。この病気のことでは、野口英世もかかわり、彼が1920年代に南米を訪れていることも思い出される。

 ちょっと考えただけでも、ポスト植民地時代の都市、社会、人種、科学技術(史)、欧米文化の流れ込み方、多くのことを教えてくれる。もちろん植民地における愛の形についても。

 下は買い物に出た時に撮った自宅近くの桜。


0 件のコメント:

コメントを投稿