El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
2016年9月4日日曜日
キューバ文学(34)イバン・デ・ラ・ヌエス『赤の幻想』
Iván De la Nuez, Fantasía roja: Los intelectuales de izquierdas y la Revolución cubana, Debate, Barcelona, 2006.
原題を日本語に訳すと、『赤の幻想ーー左翼系知識人とキューバ革命』。
キューバ革命に魅せられた西欧・米の知識人は多い。サルトルがその筆頭で、この本の表紙には、サルトルがキューバを訪れてゲバラと面会した時の写真が使われている。
サルトル以外では、オリバー・ストーン(『コマンダンテ』)、シドニー・ポラック(『ハバナ』)、リチャード・レスター(『さらばキューバ』)といった映画監督たち、それから音楽で言えばデヴィッド・バーン(『レイ・モモ』)、ライ・クーダー(『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』)が赤いキューバに「幻想」を抱いている。それは何なのかを論じたのがこの本。
「ジャン=ポール・サルトルやレジス・ドブレといった左翼のイデオローグが、キューバ革命のなかに自分たちの社会にとって代替となる未来を追い求めたとすれば、ライ・クーダーはむしろ『ロック市場の代替物』を見つけるために過去に向かった。」(p.94)
「キューバ革命期と冷戦期に生まれた子供なら、ベルリンを歩くことは、ある種、逆さまの幻想とーーそして、こう言わずにはおれないがーー夢に見た復讐を果たすことを意味する。(中略)ポスト共産主義の主体にとって、ベルリンとは、かつて約束された未来のメタファーを生きるような何かを含意している。(中略)ベルリンの夜を歩いていたら、カウンターカルチャーのバルセロナや、モビーダのマドリードを思い起こす人たちに出会った。ぼくはとりわけ80年代のハバナを思い出す。」(p.112-113)
イバン・デ・ラ・ヌエスは1964年生まれ。
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