2016年2月7日日曜日

ラテンアメリカ文学と東欧[2月20日追記]

東欧文学のブックガイドが出た。

奥彩子/西成彦/沼野充義編『東欧の想像力:現代東欧文学ガイド』松籟社、 2016年1月

ここに「ラテンアメリカ文学と東欧」というタイトルで文章を書いている。

書いたあとになって、言及した作家について起きたことを補足しておこう。

①ゴンブローヴィッチ
 アルゼンチンで2014年8月に「ゴンブローヴィッチ会議」 が催され、それをきっかけにウェブページが作られて、とても充実した内容になっている(少なくともスペイン語関係者にとって)。

ゴンブローヴィッチ図書館のページでは、ゴンブローヴィに関する300以上のスペイン語の原稿が読める。

かつてはひとつひとつの文献を、図書館を通じてコピー入手していたことを思うとありがたい。

ただ、リンク切れが起きたりする可能性もあるので、重要なものは手元で保管するしかないだろう。

ビオイ=カサーレスはゴンブローヴィッチにまつわるエピソードを、ボルヘスの口を借りて書いている。

「いまから詩を読むぞ。5分以内に誰も別の詩を読まなければ、ぼくがブエノスアイレスでいちばんいい詩人ってことだからな。」とゴンブローヴィッチはボルヘスに言ったとか(『日記』1956年7月22日日曜日)。
 
②エドゥアルド・ハルフォン
 グアテマラ出身のこのユダヤ系作家は2014年3月に来日し、出席はできなかったが、いくつかイベントが催されている。

 来日を期に、『世界』2014年6月号、8月号には彼の文章やインタビューが翻訳掲載されている(飯島みどり氏の翻訳)。

 また『早稲田文学』2015年冬号にも短篇が掲載(松本健二氏の翻訳)。白水社から翻訳書が出るとのこと。

③マルセロ・ビルマヘル
 この作家の兄ルベンは、2015年12月にイスラエルで殺されてしまった。スペイン語のニュースはこちら

[追記 2月20日]
 この本は、松籟社のウェブページで見本が公開されていて、目次や内容の一部読むことができる。
 

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