竹橋の東京国立近代美術館で、「記録をひらく 記憶をつむぐ」を見てきた。戦争画の展示ということで図録もなければチラシも作らず、それがむしろ関心を惹いているようにも思ったが、そんなに混んではいなかった。内容重視の慎重に作られた企画で、見応えがあって、できればもう一度見にいきたい。全体がどれくらいの規模なのかがわからなかったこともあるし、こちらの頭脳の限界もあって、絵画を中心に見たために、合間に置かれた雑誌その他の資料までを丁寧に見ることはできなかった。合わせて「コレクションに見る日韓」と「所蔵作品展」も見るつもりだったので、あまりの分量で関心もあちこちに飛んでしまって、よくあることとはいえ、整理がつかないままに見たものも多かった。もったいないことをした。この前行った長崎県立美術館の展示もかなり大胆な内容だったし(ゴヤの戦争ものって結構重い)、戦後80年がこういう展覧会を可能にしたことが時期として遅かったのか早かったのか、もちろん人それぞれの受け止め方次第で、世代的なものや日頃の興味の方向に依存するとはいえ、忘れられない展覧会ではあると思うし、できれば関心を共有できる場所があるといいし、こういう展示が将来のための下地なりなんなり、踏みとどまるためのなんなりにならないものだろうか。「なんなり」ってなんなの?というのはあるけれど。
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