6月も残りあと1週間、夏至が過ぎた。
紫陽花は綺麗に咲いている。
雨が降り、太陽がそそぎ、夕方が長いこの時期、1年のほかの時期と同じように、あらゆることが起きる。
当たり前のようにして人は生まれるし、死ぬし、そんなことには気をとられてばかりもいられない仕事の正念場であったりもする。
海外だと、この季節はすでに休みに入っているところもあると思う。
こういう日々は夕方の雷やゆっくり暗くなっていく遠景を、いつまでも眺めていたいものだ。
レイナルド・アレナス『夜になるまえに』を引用しよう。
「川」
「時がたつにつれ、川はぼくにとっていちばん謎めいた場所になった。川の水はひどく曲がりくねったところを進み、まっさかさまに落ち、黒い水たまりを作りながら海へと向かった。
雨が降り嵐が来ると、川は鳴り響き、その轟音が家まで届いた。激怒しながらもリズミカルな音をたて何もかも押し流した。
やがてぼくはその川に近づき、泳げるようになった。
百合川という名だったが、岸辺に百合がはえているところは一度も見たことがなかった。忘れられない一つのイメージを与えてくれたのがその川だった。
6月24日、聖ヨハネの日のことだが、その日には田舎に住む者はみんなその川に水浴びに行かなくてはならなかった。
洗礼という昔ながらの儀式は泳ぐ者たちにとってはお祭りに変わっていた。祖母や同じ年頃の従兄弟たちといっしょに川辺を歩いていると、30人あまりの男が裸で泳いでいるのが見えた。
地区の若者がみんなそこにいて、岩の上から川に飛び込んでいたのだった。(後略)」
ふと気になって、アレナスの誕生日を、夏至に近いだろうと思って調べてみたら、7月16日生まれだった。当たらずとも遠からずといったところか。
今日は6月24日。
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