El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
2019年6月20日木曜日
キューバ革命とアメリカ・ニューレフト(ラファエル・ロハスの本)
以下は、ラファエル・ロハスの本『ユートピアの翻訳者ーキューバ革命とニューヨークのニューレフト』の第5章の冒頭。
「1959年1月、キューバ革命が勝利をおさめたころ、アメリカ文学でもう一つの革命の火蓋が切られた。ビート・ジェネレーションの美学的叛乱である。1956年、ローレンス・ファーリンゲッティはアレン・ギンズバーグのノート『咆哮(Howl)』をサンフランシスコで出版してスキャンダルを巻き起こし、それは合衆国の裁判所に行き着くことになる。翌年、ギンズバーグの詩集をどう扱ったものか、批評がまだ定まっていないとき、ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』がニューヨークのヴァイキング・プレスから世に出た。ハバナにおける革命勝利の最初の年、パリではウィリアム・S・バロウズの『裸のランチ』、麻薬中毒者ウィリアム・リーによるアメリカ合衆国、メキシコ、タンジェへの旅行記が出版された。Todd F. Tietchenがほのめかしているように、二つの革命の道筋が交差し、直ちに離れ離れになることは避けがたいことであった。キューバ革命に熱狂し、キューバの社会および政治過程を直接体験したビート・ジェネレーションの作家は多い。Tiethchenはとりわけ、ローレンス・ファーリンゲッティとアミリ・バラカ(リロイ・ジョーンズ)、Marc Schleifer、そしてもちろんアレン・ギンズバーグを強調している。この4人の作家はキューバ公正委員会のメンバーだった(後略)。」
上の引用は以下のスペイン語版をもとに訳した。
Rafael Rojas, Traductores de la utopía: La Revolución cubana y la nueva izquierda de Nueva York, Fondo de Cultura Económica, Ciudad de México, 2016.
書誌データを見ていたら、オリジナルは英語版(Título original...)との記載がある。で、英語版の5章を開いてみると、少々違っている。
例えば、上のスペイン語版では『咆哮』を出版したシティ・ライツの名前はないが、英語版にはある。それに英語版では、『咆哮』も『裸のランチ』も裁判がわいせつ性をめぐるものだったことも書いてある。スペイン語版にはobscenidad(わいせつ)という表現は出てこない。
英語版の書誌データは以下の通り。
Rafael Rojas, Fighting over Fidel: The New York Intellectuals and the Cuban Revolution, (translated by Carl Good), Princeton University Press, Princeton and Oxford, 2016.
第5章の章タイトルは、スペイン語では「Lunas de Revolución」と、週刊紙「Lunes de Revolución」をもじっている。
本のタイトルもスペイン語版と英語版は違っている。英語版は「フィデルをめぐる闘い」といったところだろうか。
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