長年話に聞くばかりで、現物を遠目に眺めているだけだったマルチニークの文芸誌『トロピック』が届いた。
TROPIQUES(1941-1945, Collection complète), jeanmichelplace, Paris, 1978.
この本の表紙装画はウィフレド・ラムによるもの。雑誌でラムが言及されるのは1945年12号のピエール・マビーユの「ジャングル論」である。同じ号にはカルペンティエルの文章も載っている。
ちょうどその頃、キューバでも文芸誌『オリーへネス』でラムの装画が使われる。
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北条裕子「美しい顔」(『群像』2018年6月号)を読んだ。
この作品をめぐって起きていることを考えれば考えるほど、スペイン語圏、ラテンアメリカにおける文学ジャンル、テスティモニオ[Testimonio(証言・証言文学)]についての理解が日本でも共有され、深まることが必要だと感じる。
新人賞への応募作ということで、審査員は作者の属性についてはどれほどの情報が事前にわかっていたのだろうか?選評でそのことに触れているのは野崎歓氏のみで、知らされていないようだ。
ただ、どのように読むにせよ、この作者と作品をアイソレーションさせてはいけないと思う。
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