ウォーカー・エヴァンスのキューバ写真集。
Walker Evans, Cuba, The J. Paul Getty Museum, London, 2011.
写真は1930年代、ラングストン・ヒューズやガルシア・ロルカが見たキューバと同じ時期だ。
この写真集にはエッセイが付いていて、書き手はアンドレイ・コドレスク。注意を払っていなかったのだが、この作家はルーマニア出身で、アメリカ合衆国在住の英語でも書く人である。
このことに気づいたのは、以下の本で。
Cuba in mind : An anthology, edited and with an introducion by Maria Finn Dominguez, Vintage Departures, 2004.
ここにはヘミングウェイとかオスカー・イフェロスとかアレン・ギンズバーグとか、まあ外国人によるキューバ紀行の抜粋がたくさん入っていて、そこにコドレスクの名前があった。抜粋なので、全体を読んでみたいと思って入手したのが以下の本。2015年の本だが、コドレスクが訪れたのは1998年で初版は1999年に出ている。
Andrei Codrescu, Ay, Cuba! : A socio-erotic journey, Open Road Media, 2015.
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スペインの映画『悲しみに、こんにちは』を見た。トレイラーはこちら。
(以下、結末に触れています)
最後の最後に献辞が出てくる。予備知識ゼロで見たので、ここでハッとした。
日本で今公開されているのは、最後に「母、ネウスへ」とある。
それを見ると、なるほど監督自身の体験に基づいていることが伝わる意味のある献辞だ。だからハッとした。
しかし、エルビラ・リンドが「エル・パイース」で書いている文章によれば、彼女がみたヴァージョンでは、献辞は「両親へ」となっている。
これはこれでリンドが指摘するように、ダブルミーニングで悪くない。
どちらにしても、観終わったばかりの映像を最初から蘇らせたくなるような「呼びかけ」に成功している献辞であるなあ。
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[7月27日の追記]
日本語のタイトルは映画の最後の場面を受けていて、まあそれはそれでいいとしても、この場面で表現されているのは「悲しみ」というような、妙に落ち着きのある詩的な響きを持った感情とは違う。
ここで少女フリダは「泣く(cry, llanto)」のだ。発作のように、コントロールできない感情の暴発だ。映画の冒頭にあった「なぜ泣かないの?」というセリフに対応する。
原題『1993 夏』を踏まえると、監督は少女の号泣を特定の時代の集合的な記憶、つまりポスト・フランコ時代のスペインの記憶として提出している。
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いつの間にか、amazonに書影が出ていました。
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