2017年1月1日日曜日

キューバ映画(15)『Clandestinos』(地下活動)

1987年のキューバ映画。

監督はフェルナンド・ペレス(1944年生まれ)。この映画は監督にとって初めての長篇映画。

実話を基にしたとのことで、脚本にはヘスス・ディアスの名前。

山脈で革命運動が進む中、都市ゲリラたちもバティスタと戦っていた。エルネストなどの革命支持派の若者たちは球場や収録中のテレビスタジオでビラを撒いたりして運動を続ける。

収監されていたエルネストはあるきっかけでネレイダと知り合う。釈放された後、仲間と合流したエルネストは、ネレイダが彼らと行動を共にしようとしていることを知る。しかし彼女は医者の父を持つ裕福な家庭に生まれた女。エルネストは反対したが、怪我をした時の優しい看病などを経て惹かれていく。

正式な結婚をしたがる仲間もいるが、エルネストは地下活動に差し障りがあると反対の立場。そんな仲間も次々に逮捕され、拷問を受けたり、死体となって発見されたり。

武器を略奪し、妊娠したネレイダと仲間とで潜伏するエルネストだが、裏切りもあって警察に取り囲まれる。

降伏の機会を与えらえるがエルネストは拒み、最後の戦いに挑む……

ゲリラたちがビルの屋根を伝って逃亡したり、銃撃戦が展開したり、アクション映画として見ることができる。

インタビューによると、監督はICAICに入った時から、革命、それも地下活動を題材にした映画を撮ろうと思っていた。革命運動に参加した若者とさほど年齢が変わらなかったこともあり、革命の成功に強い共感を抱いたのだという。そしてこのようなリアリズム映画が出来上がった。

数々の映画賞を受けたこの映画の後、ペレス監督は『ハロー、ヘミングウェイ』『人生は口笛のように』『永遠のハバナ』と名作を生んでいく。

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