2015年4月17日金曜日

続いている本

読めもしないのに、相変わらず本だけは届き続けている。

今日はそのうちの2冊をメモがわりに。

Yoani Sánchez, Cuba Libre: Vivir y escribir en La Habana, Debate, 2010. México, D.F.

著者ジョアニ・サンチェス(1975生まれ)は、キューバのブロガー、活動家である。彼女の日記(ブログにのせたもの)を一冊にまとめたもの。島のなかから発信を続ける、いまや著名すぎるほどのジャーナリスト。共産主義キューバのメディアのイメージを根底から覆した人といっていいと思う。

目次を見ると、2007年から2009年までのもののようだ。

2012年か13年、彼女ははじめて国を出て、文字通り世界を駆け巡った。行く先々で講演、インタビューなどを受けた。彼女を囲んでのディスカッションも数多く開かれた。その模様はYoutubeや、その他さまざまなメディアが生で放送した。

数ヶ月に渡ったかと思われる講演旅行後、彼女はキューバに戻り、いままた発信を続けている。この前のパナマでのオバマ、カストロ会談も間近で見たはずだ。

そしてもう一冊。

Antonio José Ponte, Villa Marista en plata: Arte, Política, nuevas tecnologías, Editorial Colibrí, Madrid, 2010.

アントニオ・ホセ・ポンテの文章には何年か前に出会って、どぎもを抜かれたというか、脳天くい打ち的なショックを受けた。

時に、とても難しい文章を書く人だ。しかしどの文章も考え抜かれた末に書かれていて、奥の深さに恐ろしさを覚えた。これほどの文章家を生み出すキューバよ、おまえはいったいどうなっているのだ!
 
1964年にキューバに生まれた人だから、いま51歳ということになる。亡命してマドリードに住んでいる。

 この本はフィデル・カストロが表舞台から去った時期のことを扱っている。上のジョアニ・サンチェスの本とほぼ同時期といってもいいだろう。それだけでなく、キューバ国家による暴力を視覚的に表現したアーティストたちのことを書いてもいて、その作品の写真なども載っている。

本のタイトル、ビジャ・マリスタは反体制派の送られた場所で、カルロス・ガライコアの作品であるビジャ・マリスタの模型の写真を見ることができる。

 この本は古本で買ったのだが、著者のサイン本だった。しかも、本からは葉巻の匂いが漂ってきて、キューバにいるような気さえしてくる。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿