上のリンクは全米図書賞のHPだが、そこにはこの作品の概要が書かれている。「バジェホはセリーヌ、トマス・ペイン、そしてマシャード・デ・アシスの後継者である」とある。
セリーヌはまあそうかな、と思うが、米国18世紀・独立期の社会思想家であるトマス・ペインと言われてもピンとこない。アメリカ文学史的にはそうなのだろうか。無神論者で埋葬場所も見つからなかった人らしい。それからブラジル19世紀作家のマシャード・デ・アシス。これも一瞬意外な気がしたが、『ブラス・クーバスの死後の回想』とは繋がりがありそうだ。
バジェホ『崖っぷち』以外で、2024年のロングリスト(翻訳部門)ですでに日本語訳があるのは、楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(三浦裕子訳、中央公論新社、2023)かな。
ラテンアメリカ作家では、サマンタ・シュウェブリン『七つの空っぽな家』(見田悠子訳、河出書房新社)の英訳が受賞(2022)。
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『ユダヤ文化事典』(丸善出版、2024年7月31日)で「新大陸のスペイン・ポルトガル語圏文学」の項目を担当した。これと関連して、9月16日世界文学・語圏横断ネットワークのパネル「ユダヤ文学の語圏横断性」に参加し「ラテンアメリカのユダヤ文学」について報告した。
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