2024年10月21日月曜日

10月21日 キューバ危機

キューバが大変なことになっている。発電所がダウンして、島のほとんどで、10月16日水曜日から金曜日、それ以降、これまでに30時間から50時間の長時間にわたって停電している。電気が戻っても断続的に停電が続いている。電気が戻った割合も全土の10%に過ぎないとも言われている。携帯電話の充電?できるわけがない。

真っ暗なハバナの街路、街路で煮炊きする人びと、薄闇のレストラン、卓上コンロに使うガスを買い求める長い列の写真がアップされている。学校も当座は休み、食料や水やその他基本的な生活物資も欠けている。

ハバナやその他の都市で抗議行動が出ているが、大規模なものではないようだ。これは抗議の声が小さいということではなく、声を出すことへの恐怖、声を出せば政権が何をしてくるのかわからないことへの怯えの表れだと思っている。すでにミゲル・ディアス・カネルは、抗議行動を粛清しようとしている。

それと並行して思うのは、西側の報道(西側も東側もない時代にこんな言い方をするのもなんだが、とりあえずこういう古臭い言い方をしたくなる・・・)を見ていて気になるのは、妙にフォトジェニックな場面が目につくということだ。報道写真というよりはアーティスティックな写真である。

朝日新聞もネット版にロイター発の写真を載せているが、それが薄闇のレストランで、外は明るいのと対照的に、店内の薄闇に女性が立ち、そのシルエットが浮かび上がっている。現実レベルで考えた時に、30時間以上の停電というのは、病院では生死に関わることだと思うのだが、(たまたまではあろうけれども)そういう写真は出てこない。

先日、キューバが現在のテロ支援国家の状況では観光客も来ず、経済的にキューバを死に至らしめることにほかならないということを懸念して、イグナシオ・ラモネが中心になってキューバを救う署名活動が行われた。

イグナシオ・ラモネ。1000万人のキューバ島に関心を抱いているのは、もはや往年のキューバファンだけなのかもしれない。このまま「キューバ失敗国家」とか「キューバ独裁国家」というタグだけで検索され、検索されなければ存在したことも忘れられてしまうのか。

人は何を信じて何を捨てるのか、その何かは選ぶのか選ばされるのか、そもそも選ぶというような「選択肢のあること」があるのだろうか。

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