2020年5月27日水曜日

あれから2ヶ月

卒業式から2ヶ月がすぎた。

この週末はラテンアメリカ学会が立命館大学で開催されるはずだった。この分でいくと秋の学会も難しいような気がする。

イスパニヤ学会は関西外国語大学で10月10日・11日に開催されることになっているが(発表者募集中)、果たしてどうなるのだろう。

 勤め先の大学では、このセメスターのオンライン授業もそろそろ折り返し点が近づこうとしている。緊急事態宣言が解除され、現在は臨時休館している図書館ももうすぐ開くらしい。レポートや論文のことを考えたら図書館が閉まっていたらどうしようもない。僕が住んでいる地域の公共図書館は今週には限定的だけれども開館することになった。このことには心底ほっとする。

映画館ではなんと、6月頭に池袋の新文芸坐では『蜘蛛女のキス』が上映される。こぞって出かけるというわけにはいかないけれども、少し光が見えてきた。

この前、バルセロナの文学研究者が、Zoomによる作家(メキシコ人でバルセロナ在住)のトークに招待してくれて、深夜だったとはいえ、こんな機会はなかなかないので頑張って参加した。

その作家の話はまた別の機会に書くつもりだけれども、スペイン、ギリシャ、米国などなど、様々な地域の人が参加してーーメインの聴衆はその研究者が指導する大学院生だったーー、僕も勢いに乗って質問したりした。楽しかった。

スペイン、とりわけバルセロナは長く厳しい封鎖生活を送っているわけだが、Zoom越しに見える彼ら、彼女らの部屋は白く白く光っていて、建物のデザインにしても陽光の強さにしても、こちらは深夜の寝巻き姿だったこともあって、とりわけ眩しい思いがした。
 
こんなオンラインのトークなら、割合簡単に催すことができるのではないか、そしてやるだけの価値がある、というのが参加しての実感だ。

ではできるのか?と自分に問うてみて、そんな余裕はとてもじゃないけれどもない、というのもまた実感だ。

緊急事態宣言、またそれに類する危機的な状況というのは、とりわけ弱いものに直撃する。もとより日頃から脆弱だったが、なんとか持ちこたえていた「何か」に負荷がかかって、その負荷を受け止めるのは弱いものだ。雇用の現場に限ったことではなく、それは強者と弱者のいるどんなところにも起こり得る。これもまたこの2ヶ月、考えさせられた。

大学のHPにある案内を見て寄付をした。微々たる額だが、それでも下手をすればこのさきしばらく教室とは縁のない日々が続く可能性もある。困っている学生たちのためにできることのうちの一つではある。でも学生たちのためだけではないように思っている。もっと先のための、今は言葉にならないが、何かのとっかかりを掴みたいからだ。

下の写真は5月の半ばすぎの東京外国語大学。天気は不穏で、緑の濃さが印象的。

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