20世紀のキューバ詩大全とでもいうべきアンソロジーは以下のもの。2ヶ国語版なので勉強になる。
600ページあるけれども、わずか60年分である。1902年生まれのニコラス・ギジェンから1975年生まれのハビエル・マリモンまで。
Mark Weiss(ed.), The Whole Island: Six Decades of Cuban Poetry, University of California Press, Berkeley and Los Angeles, 2009.
キューバを中心に詩を読むことに重きを置いて、こちらの研究会で発表をした。
自分の発表ばかりでなく、貴重な発表を聞くことができて、新年度に向けて自分がどういうことをやるべきか課題も見つかったように思う。
無事に終わって一息つきたいところ、すぐにその後のことなど(例えばこちら)があったりしつつ、そんな合間にいただいた花を眺める。BGMはこちら。歌詞はこちら。
El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
2019年3月28日木曜日
2019年3月22日金曜日
現代アフリカ詩集
1975年1月、『現代アフリカ詩人』という詩集がスペイン語で出た。中身はスペイン語作家の翻訳による現代アフリカ詩集である。
Poetas africanos contemporáneos, Biblioteca Jucar, Madrid, 1975.
翻訳されたのは、セネガル、マダガスカル、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ、アンゴラ、モザンビーク、ガンビア、ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、ニヤサランド、ケニアの詩人である。
ニヤサランドが現在ではどういう国になっているのか、ご存知だろうか。
セネガルのダヴィッド・ジョップの詩も入っている。
出たばかりの日本語訳は以下の通り。
ダヴィッド・ジョップ、『ダヴィッド・ジョップ詩集』(中村隆之 編訳)、夜光社、2019年。
ところで翻訳ということだが、誰が翻訳しているのかは、書影に5人の名前があがっている。
最初の二人、V. PiñeraとF. Jamisはビルヒリオ・ピニェーラとファヤド・ハミスのことで、キューバの作家である。
二行目のA. Armando Bravoはアルマンド・アルバレス・ブラボで、これもキューバ人である。
三行目の一人目はM. Cabreraだが、これはマヌエル・カブレラ・サンチェスのことだろうか。1949年オルギン生まれでジャーナリストなどをやっていた人物がヒットする。
三行目の二人目、D. Fernándezはダビッド・フェルナンデスで、これだけではいくらでもいそうな名前だが、ダビッド・フェルナンデス・チェリシアン(David Fernández Chericián)という名前がヒットした。1940年ハバナ生まれの詩人である。
要するにこの詩集の翻訳者は全員キューバ人だった。
フランス語から訳したのがピニェーラ、ハミス、アルバレス・ブラボ、ポルトガル語から訳したのはマヌエル・カブレラ、英語から訳したのがダビッド・フェルナンデス、ということのようだ。
Poetas africanos contemporáneos, Biblioteca Jucar, Madrid, 1975.
翻訳されたのは、セネガル、マダガスカル、カーボベルデ、ギニアビサウ、サントメ、アンゴラ、モザンビーク、ガンビア、ガーナ、ナイジェリア、南アフリカ、ニヤサランド、ケニアの詩人である。
ニヤサランドが現在ではどういう国になっているのか、ご存知だろうか。
セネガルのダヴィッド・ジョップの詩も入っている。
出たばかりの日本語訳は以下の通り。
ダヴィッド・ジョップ、『ダヴィッド・ジョップ詩集』(中村隆之 編訳)、夜光社、2019年。
ところで翻訳ということだが、誰が翻訳しているのかは、書影に5人の名前があがっている。
最初の二人、V. PiñeraとF. Jamisはビルヒリオ・ピニェーラとファヤド・ハミスのことで、キューバの作家である。
二行目のA. Armando Bravoはアルマンド・アルバレス・ブラボで、これもキューバ人である。
三行目の一人目はM. Cabreraだが、これはマヌエル・カブレラ・サンチェスのことだろうか。1949年オルギン生まれでジャーナリストなどをやっていた人物がヒットする。
三行目の二人目、D. Fernándezはダビッド・フェルナンデスで、これだけではいくらでもいそうな名前だが、ダビッド・フェルナンデス・チェリシアン(David Fernández Chericián)という名前がヒットした。1940年ハバナ生まれの詩人である。
要するにこの詩集の翻訳者は全員キューバ人だった。
フランス語から訳したのがピニェーラ、ハミス、アルバレス・ブラボ、ポルトガル語から訳したのはマヌエル・カブレラ、英語から訳したのがダビッド・フェルナンデス、ということのようだ。
2019年3月6日水曜日
定冠詞をめぐる(私の)近況
本屋に並んでいるのをまだ見ていないのですが、『ハバナ零年』という小説を翻訳しました。出版社は共和国。
作者はカルラ・スアレス。1969年ハバナ生まれのキューバ人です。今はリスボンに住んでいます。
日本語版の表紙に見える、スペイン語の原題について、スペイン語のわかる人の何人かが、"La Habana año cero"ではないのを不思議に思っています。
確かに、辞書などでも、ハバナは、"Habana"ではなく、女性形の定冠詞をつけた、"La Habana"と表記します。レイナルド・アレナスの『ハバナへの旅』も、Viaje a La Habanaです。
でもこの本は、以下の書影のように、"la" はありません。
さて、なぜ "la" がないのか。
自分なりの解釈はあるので、今後トーク・イベントで話そうかどうしようか。
それを考えながら読んでも面白いと思いますので、ぜひ。
-------------
以下の本が入っている「Historia mínima」シリーズは授業などでも使えそうだけれどどうか。
Rafael Rojas, Historia mínima de la Revolución cubana, Turner, Madrid, 2015.
このシリーズはTurner版とコレヒオ・デ・メヒコ版があり、気がついたら二種持っていました。以下はコレヒオ版。表紙の絵はラウル・マルティネス。
この本、上の方のTurnen版は"La Revolución cubana"の定冠詞の "La" は、タイトルとは別になっていて、コレヒオ版の方では、"La" がど真ん中で目立つ。面白い。
作者はカルラ・スアレス。1969年ハバナ生まれのキューバ人です。今はリスボンに住んでいます。
日本語版の表紙に見える、スペイン語の原題について、スペイン語のわかる人の何人かが、"La Habana año cero"ではないのを不思議に思っています。
確かに、辞書などでも、ハバナは、"Habana"ではなく、女性形の定冠詞をつけた、"La Habana"と表記します。レイナルド・アレナスの『ハバナへの旅』も、Viaje a La Habanaです。
でもこの本は、以下の書影のように、"la" はありません。
さて、なぜ "la" がないのか。
自分なりの解釈はあるので、今後トーク・イベントで話そうかどうしようか。
それを考えながら読んでも面白いと思いますので、ぜひ。
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以下の本が入っている「Historia mínima」シリーズは授業などでも使えそうだけれどどうか。
Rafael Rojas, Historia mínima de la Revolución cubana, Turner, Madrid, 2015.
このシリーズはTurner版とコレヒオ・デ・メヒコ版があり、気がついたら二種持っていました。以下はコレヒオ版。表紙の絵はラウル・マルティネス。
この本、上の方のTurnen版は"La Revolución cubana"の定冠詞の "La" は、タイトルとは別になっていて、コレヒオ版の方では、"La" がど真ん中で目立つ。面白い。
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