あまりにもやることがたくさんありすぎて、メモを残す間もなく時間が過ぎてしまう。
この前、星野智幸さんが谷崎賞の授賞式と祝賀会に声をかけてくださったので、行ってきた。
四半世紀前に一緒にメキシコで一時期を過ごした友人が勢ぞろいして、こういうことを言っていいかわからないけれども、ちょっとした同窓会のようでもある。
谷崎賞といえば、大江健三郎の『万延元年のフットボール』が受賞作だが、確かこの本、メキシコで星野さんら、当時メキシコにいた何人かと共有して読んだような気がする。
受賞の言葉は「中央公論」2018年11月号に、選評とともに載っているが、当日はそれをベースに喫緊の話題について話していた。
詳しくは朝日新聞のこの記事にあるのだが、この中にある、文学における言葉の毒と薬の話を聞いていて、おや、これはそういえば、1年半前に東京外大で講演をしてもらった時に言っていた話だなと思い出した。
講演会の時にとったノートを探し出してみると、その時星野さんは、ドストエフスキーの『罪と罰』などに触れながら、言葉には毒があることを意識しながら薬に変えていくのだ、文学は言葉の暴力性を薬に変えるのだ、と言っている。
今後もこの毒と薬の話は星野さんの文学観の中心になっていくと思う。
星野さん、谷崎賞、おめでとう!
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