ル・クレジオの『ディエゴとフリーダ』(望月芳郎訳、新潮社)を読んでいる。作家の評伝的なものを書こうとしても(というか書きたいと思っていますが)、これから自分で現場へ行ってその道を歩いて空気を吸って歴史を調べたりするのは、時間やそれ以外にもオカネのことからしても難しいかもしれない。でもこの本を読んでいると、ディエゴ・リベラやフリーダについて書かれたこれまでの伝記を引用して、それをきちんと文脈化しながら書いている。たぶんこんなにうまくいかないとしても、まなぶことはおおい。
El mundo cambia constantemente.
ラテンアメリカ文学、キューバの文学、カリブの文学などについてメモのようなものを書いています。忘れないように書いているというのもあるけれど、忘れてもいいように書いている。書くことは悪魔祓いみたいなもので、書くとあっさり忘れられる。それがいい。
Escribir es un acto de exorcismo. Escribir cura, alivia.
2025年5月27日火曜日
2025年5月26日月曜日
5月26日 近況
スペインには20万人のキューバ人が住んでいて、その10パーセントがマドリードに住んでいる。例えばそのうちの一人には、マリア・マティエンソ(María Matienzo)という女性作家がいるが、彼女もまたサン・イシドロ運動からの亡命者である。
エル・パイースを探ってみて、新聞だからそうなってもしかたがないなあとは思うものの、移民や亡命や国際関係の話ばかりだ。
そんな中で、ひょうひょうと生きているように見える作家のカルロス・マヌエル・アルバレスがソフトボールの大会に参加しにキューバに帰った時のエッセイがあった。その彼もLos intrusos(2023年)という本で、サン・イシドロ運動のことを書いているのだが、そういえば、昨年秋、ということはキューバが停電に襲われている時期にマイアミで銃で撃たれたレゲトン歌手のエル・タイガーの追悼記事のようなものも書いていた。37歳で死んでしまったキューバ人歌手、本名ホセ・マヌエル・カルバハル・サルディバル(El Taiger)のことだ。
新年度に入ってから初めて授業も会議も打ち合わせもゼロの日で、こんな日もあるのだなと感慨に浸っているうちに夕方になってしまった。
くもり続きで目が覚めない。
2025年5月25日日曜日
5月25日 近況
2025年のシーズンから読売ジャイアンツに移籍した(させられた?)ライデル・マルティネスの登場曲はエル・アルファのA Correr los Lakersだ。「セ・ティラン・ロス・モノス se tiran lo' mono'」っていう合いの手がいいね。
ライデルの生まれた国キューバで何が起きているのか。
エル・パイース紙のオピニオン欄でレオナルド・パドゥーラは2025年5月11日にキューバの危機について書いている。
前にもこのブログで書いたけれど、昨年(2024年)の10月、停電が何日も続くことがあって、その後、事態はよくなっていない。電気がなければ、水も出なくなる。いまから30年以上前に、冷戦が終わったとき、キューバは物がソ連から入らなくなって窮乏生活に入ったが、それは「特別期間」と呼ばれていた。でもいまキューバが陥っているエネルギー不足はもしかすると解消不能で、いつか終わりがくる「期間」ではなく、「日常 normalidad」なのだと諦めている。奇蹟でも起きない限り、こんな生活が続くだろう、と。
エル・パイースをさかのぼってみた。
今から2ヶ月と少し前の2025年3月15日付、ここでも停電のことが書かれていた。昨年秋から数えて、それから6ヶ月の間に4回の大きな停電があった。
アーティストのタニア・ブルゲラのインタビューが2024年11月28日に載っている。ブルゲラがキューバを出たのは2021年8月17日なのだが、原因はサン・イシドロ運動にある。これはコロナの時期に起きたキューバの芸術家による抵抗運動で、2020年11月27日(27N)に大きなデモを行い、翌2021年7月のさらに大きなデモにつながっていく。
2024年9月24日、そして2024年9月27日には、キューバで歴史的なエクソダスが起きているという記事が読める。100万人がこの数年で出てしまった。
ラティーノの多いNPB。スワローズじゃドミニカ共和国とベネズエラ出身の選手がいるけど、ヒロイン(ヒーローインタビューのこと)は英語。このチームの通訳者には久野さんという方がいます。
まあ今日も負けましたが。
2025年5月18日日曜日
5月18日 近況
すでに放送されてしまったが、TBSのユネスコ世界遺産番組(日曜日18時から18時半)のコロンビア・カルタヘナ編の監修をつとめた(5月11日放送)。
今から10年以上前にも同じようにカルタヘナ編が制作されて、そのときも監修を依頼された。調べてみたら2013年2月だった。アルゼンチンにいたので生で放送は見ることはできなかった。
昨年か一昨年、コロンビア大使館を通じてコロンビアの食文化の試食をすることがあった。来年はラファエル・エスカローナが、再来年はガルシア=マルケスが生誕100年を迎える。
コロンビアにはもう何年も行っていないが、連絡がたまにあるので、Zoomで相談を受けたりしている。美食・音楽・文学という組み合わせでセルバンテス文化センターで企画するのがいいとは思うが。
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ここ2年間、年間で170回ほどの会議や打ち合わせに出ていて、おそらくこれからも2年は続く。
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