2021年6月20日日曜日

スペイン語ポッドキャスト

スペイン語のポッドキャストを聴こうとすると、いつの間にかたくさんのプログラムがあって、目移りするほどだ。

Ted Talksのスペイン語版(Ted en Español)は、10分少しと短めで便利。似たようなのは、BBVA「Aprendemos juntos」。こちらは各エピソードが長いが。

Diario de un Criminal」とか「Relatos de la Noche」とか、ホラー物語はいくつか聞いてみた。ただこの種のプログラムには似たようなのが山ほどあるので、もっと他に面白いのがあるのではないかと、ついつい検索の闇にはまり込んでしまって、きちんと聞いていないとも言える。

ディダクティックなものとしては、「Hoy Hablamos」などはエピソード数が1000を超えている。これはスペインの発音なのがやや気になると思っていたら、ラテンアメリカ・スペイン語のプログラム「Charlas Hispanas」もできた。

文学・文化がらみのネタが多く、作家のダニエル・アラルコンのやっている「Radio Ambulante」は最大のヒットシリーズだと思う。

こんなのがタダで聴けるとは。

そんな中で、全部で5話くらいの「Contra Natura」というプログラムを聞いた。

コロンビア・カリブ地方に展開する米国アラバマ州の炭鉱会社に、Drummond(日本語ではドラモンド・カンパニー)というのがある。この会社は組合と揉め、その後、組合リーダーが殺害される。

この殺害にはパラミリターレス(準軍部隊)が絡んでいるのではないかという疑惑、そして裁判を追ったのが、このラジオ・ドキュメンタリーである。ラジオのジャーナリズム作品としてこういうものがあるのかと驚いた。出来栄えは素晴らしい。

トランスクリプションがあるのかどうか知らないが、この地方の固有名詞(バジェドゥパルとかバランキーリャとか)に多少馴染みがあれば、まずは問題なく聴ける。話も21世紀の初頭、コロンビアの「内戦」期の出来事。

コロンビアのスペイン語が一番耳に馴染みが良い。なんというか、ドキュメンタリー独特の流れにも合っている。コロンビアのニュース番組で散々聞いたせいなのか、あの若干シリアスで、歯切れの良いスペイン語がしっくりくる。

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写真は6月20日の夕焼け。

 

2021年6月13日日曜日

スペイン語の『鋼鉄はいかに鍛えられたか』/6月13日

 ニコライ・オストロフスキー『鋼鉄はいかに鍛えられたか』のスペイン語版。

 

 

Nikolái Ostrovski, Así se templó el acero(Traducción de J. Vento y A. Herráiz), Editorial Porrúa, Ciudad de México, 2017.

この二人の翻訳者(ホセ・ベント José Ventoとアンヘル・エライス Ángel Herráiz)は、ショーロホフの『開かれた処女地』も翻訳している。スペイン語のタイトルは『Campos roturados』。

彼らはスペイン内戦時にソ連に亡命した知識人たちで、その中で最も有名なのは、コミンテルンの通訳者でもあったビセンテ・ペルテガス・マルティネス(Vicente Pertegaz Martínez, 1909-2002)。

スペイン内戦時のスペイン共産党員の主たる亡命先はパリ、メキシコだが、その中でソ連亡命の痕跡(特に文化的な痕跡)はなかなか辿るのが難しい(Alicia Alted Vigilの論文、El exilio español en la Unión Soviética)。

作家としては、「社会主義リアリズム作家」セサル・ムニョス・アルコナーダ(César Múñoz Arconada、1898-1964)の存在が知られている。1939年にソビエトへ亡命、亡くなったのはモスクワだ。彼の小説『タホ川 Río Tajo』(1938)はぜひ読んでみたい。

亡命スペイン人と革命キューバ人がソ連で出会い、それをヘスス・ディアス『シベリアの女』が描いている。

亡命スペイン人はスペイン語教師にもなる。エベルト・パディーリャがモスクワでスペイン語がうまいロシア人に会っているが、彼らは亡命スペイン人から習ったのだろう。

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ワクチン接種のスケジュールが少し前倒しになったようです。

私の住んでいる自治体では、6月14日(月曜日)に40歳から59歳までの人を対象に接種券が郵送され、予約受付開始日は7月5日(月曜日)。実際の接種日がいつになるかは、予約の埋まり方次第と思われます。

今年の夏至は6月21日月曜日。今日6月13日、東京の日の入りは18時58分。雨がぱらぱらと降ったぐらいで、長い夕方は気持ちがいいですね。

2021年6月8日火曜日

ラングストン・ヒューズ『ニグロと河』(斎藤忠利訳)/6月8日

ラングストン・ヒューズ『ニグロと河』斎藤忠利訳、国文社、1984年。

原題はThe Weary Blues(物憂いブルース)で、1926年刊行。

 

カリブ海を歌ったのは「カリブ海の日没」という4行詩。

「神さまが出血して
 血が空で咳をすると
 黒々とした海が赤くそまる
 それがカリブ海の日没だ」

キューバが言及されるのは「ソールダッド(あるキューバ人の肖像)」。 
  ※「ソールダッド」の原文表記はSoledad

「愛を営んだ あまりに多くの夜の
 影が
 お前の眼の下に おちている
   お前の眼
   苦痛と情熱でいっぱいの
   いつわりでいっぱいの
   苦痛と情熱でいっぱいの
   ソールダッド
   傷あとが深々ときざまれて
   声もない叫びをあげて じっとしている」

メキシコにいる父親と大学進学をめぐって議論して、ヒューズは「世界最大の黒人都市」ハーレムを見たいと伝える。反対はされたようがだが、結局コロンビア大学に入学した。

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日本ラテンアメリカ学会は昨年度は中止になったが、今年はオンラインで6月5日・6日開催。横浜国立大学が開催校。

春の学期も折り返し点をすぎた。写真は5月の終わり、散歩途中に見つけた紫陽花。随分早いですね。