2019年1月3日木曜日

キューバ文学:El Puente 出版

革命後の「革命文学」研究の中で抜け落ちている文化運動についての研究が進んでいる。

María Isabel Alfonso, Ediciones El Puente y los vacíos del canon literario cubano: Dinámicas culturales posrevolucionarias, Universidad Veracruzana, Veracruz, 2016.



この本は、1961年から65年まで存在した出版社「El Puente」の活動を当時の資料を使って論じたもの。

El Puenteが出した雑誌の編集長はホセ・マリオさんで、この人はドキュメンタリー『Improper Conduct』でも証言している。

この出版社はアフロキューバ系ほか、かつては排除されていた人々の実験的な表現に力を入れていた。が、当時の主流な知識人たち、例えばヘスス・ディアスやその雑誌「Caimán Barbudo」から攻撃を受けていた。

そのためこれまであまり研究されることがなかった。しかしこのところーーと言ってもそれなりに時間は経っているがーー、例えばアントニオ・ホセ・ポンテなどもこちらで言及している。

この本はタイトルにあるように、革命文化の正典を作り上げようとする中にあって、El Puente出版の意義を認めようとしているものだ。文学のみならず、音楽や映画の事情もそれなりに触れている。

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12月31日の映画館はがらがら。


下は2019年1月2日の雑司が谷で。


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