サルトルのキューバ訪問の記録は以下の本にまとまっている。
Sartre Visita a Cuba: ideología y revolución: una entrevista con los escritores cubanos: huracán sobre el azúcar, Ediciones R, La Habana, 1960.
ところで、タイトルの「Sartre Visita a Cuba(サルトルはキューバを訪問する)」で、前置詞「a」は必要なのだろうか?
通常、というか、今のスペイン語では不要(のはず)。
スペイン王立アカデミーの辞書を引いても、「En sus vacaciones visitó París(休暇でパリを訪れた)」という例文が出てくる。
ただ、マリア・モリネールの辞書(Diccionario de uso del español、初版)の「visitar」を引くと、なんと、冠詞なしで用いられる固有名詞の時には「a」が必要というのが長らく王立アカデミーの説明だったそうである。知っていましたか?
「Visitó a París」とか「Visité a Inglaterra」というわけである。
ただし、モリネールは説明を付け加えていて、このように前置詞の「a」を使うのは言語純正主義者ぐらいで、通常は使われていないのだという。というわけで、「a」はなくていい。
でもネットで検索すると、visitarのあとの地名に「a」を前置させているケースは結構ある。
で、本の話をすると、この「Sartre Visita A Cuba」は冒頭にサルトルの文章「Ideología y Revolución」が載っていて、その後に、キューバ作家との対話が数十ページあって、これはかなり貴重な資料。
その模様を撮った写真は例えばこんなもの。真ん中の小さい写真は多分アントン・アルファ。
この中の、フランスの新聞に連載していた「Huracán sobre el azúcar」だけを取り出したのが以下の本。
Jean-Paul Sartre, Huracán sobre el azúcar, Editorial Prometeo, Lima, 出版年不明.
サルトルのキューバ訪問だけを集めたコルダの写真集もあったような気もするのだが、出てこない。買わなかったのかもしれない。
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