マリア・フェルナンダ・アンプエロは、エクアドルのグアヤキル出身の作家。1976年生まれ。アルゼンチンのマリア・ガインサ(María Gainza)やアリアナ・ハルヴィッツ(Ariana Harwicz)と同世代。
マリア・フェルナンダの短篇集『闘鶏 Pelea de gallos』は2018年刊行。
映画『パラサイト』と同じように、このうちの短篇「競売」でも「臭い」が人を支配する。父が闘鶏をやっていたので、娘は幼い頃、父について闘鶏場へ通った。年配の男たちにからかわれたりしているうちに、闘鶏の雰囲気に慣れる。闘鶏場の臭い、死んだ鶏の臭いを忘れる事はない。というか嗅げば、その瞬間にわかる。
「数千キロ離れていても、その臭いならわかるだろう。私の人生の臭い、父の臭い。血の、男の、糞の、安い酒の、酸っぱい汗の、工場油の臭いがする。」
彼女は囚われている。工場の廃屋かどこかで目隠しをされ、毛布か何かを被せられている。銃口を突きつけられているのを感じる。
仕事に疲れ、ふとバーで一杯飲んだ。横の客と話をして、さらに疲れてしまった。タクシーに乗って、さあやっと家に帰れると思った。が、それが終わりの始まりだった。
運転手にピストルを向けられ、連れて行かれたのは町外れ。そこであの臭いが彼女の鼻に届く。「どこかに鶏がいる」
囚われているのは彼女だけではない。彼らは一様にタクシーに乗って脅されて連れてこられた。ある程度の金品を奪い取ることができるという予測のもと、タクシー運転手に選び出された。コロンビアなら「パセオ・ミジョナリオ Paseo millonario」と呼ばれる強盗。
しばらくすると「競売」が始まる。
裕福な男がせりにかけられる。住まいは「貧しい俺たちには覗くこともできない」ゲイテッド・コミュニティ。
複数の銀行口座、会社役員で企業家の息子、芸術品所有などなどの情報を聞き出す。銃で脅して暗証番号を聞き出し、有り金を全額を引き出させればまずは成功。屋敷に入りこみ、財産をまるごと盗むこともあるらしい。
さて主人公の女は?
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新年度がはじまった。
昨年度は困難や苦労にぶつかり、それはそれでよかった。あまりにも贅沢な経験だったと思う。
自分一人では生活が難しい人をできる限りで助けようと思って行動したし、日頃は聞かない話を聞いたりする時間をたくさん持つようにした。これまでにないことだ。
懐かしい人から連絡があって、話をしたりしたし、これはオンライン効果。
この春、同年代の同僚がこの世を去るという信じられない悲しい出来事があった。
写真は一週間前の桜。
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