2024年7月31日水曜日

7月31日 近況

更新しないでいると、更新の仕方を忘れてしまいそうだ。

久しぶりにキューバ文学の本が届いた。





表紙の写真は日本人でNHKの腕章をつけている。カストロの演説を間近から撮ろうとしている。でもこれは加工写真で、クレジットによればキューバ人アーティストの作品である。本の内容はこれまでに書いた試論をまとめたものだが、検閲の歴史ということで、文学に限らずアートのことも書かれている。

ラテンアメリカ文学を旅する58章』が明石書店から出たのがもう2カ月前。奥付刊行日は2024年5月30日。予定では2024年4月刊行を目指していたが、こういうのは遅れるもので、原稿が揃い、作業を進めていきながらだんだん春になり、さてではいつを目標に出そうかと編集者と相談し、ラテンアメリカ学会の定期大会が5月25日・26日に慶応大学(日吉キャンパス)で開催されることになっていたので、ではそこで見本だけでも並べようということでGW明けに作業を終えた。

ほとんど忘れていたのだが、6月に『百年の孤独』の文庫が出る話だったので、まあ渡りに船という感じで、今大きな本屋では、明石書店の《エリアスタディーズ》が文学の棚にラテンアメリカ文学関係の類書と並んで置いてある。帯がないので、本を手に取って中身を見てくれないと、ラテンアメリカ文学ガイド本であることが伝わりにくいかもしれない。じんぶん堂にも短い宣伝文を書いた。あと外大のHPでも紹介した。

こういうシリーズ本は書評が出にくいらしい。編集者は文芸誌にも見本を送ってくださっているようだが、書評が出たという話は聞かない。今のところ、先日の図書新聞(2024年7月27日、3649号)の2024年上半期読書アンケートで、崎山政毅さん(ラテンアメリカ思想史)が紹介してくださったのがあるだけだ。