2017年6月26日月曜日

2017のインティ・ライミはこのように…

6月の頭にこれ。一週間後にこれ。その一週間後はこれ。夏前にはまだひとつ出番があって、気は抜けない。

その間に、明石書店から『カリブ海世界を知るための70章』が出た。自分は1章しか書いていないが、カリブに関する歴史・社会・文化関係の文章がまとまった形で出たことはありがたい。大いに参考にしたいと思っている。


このシリーズは、『コロンビアを知るための60章』で4章担当したことがある。改めて開いてみると、意外なことが書かれていたりして(自分の書いたものも含めて)、 やっぱりためになる本である。


2冊の刊行のあいだにちょうど6年の歳月が挟まっていて、『カリブ海世界を〜』は「エリアスタディーズシリーズ」の157(番目)で、『コロンビアを〜』は同シリーズの90(番目)である。1年およそ10タイトル出している計算だ。

『総合文化研究』のPDFがこちらから読めるようになった。CiNiiで検索すると機関リポジトリから読めるようになっている。PDFのアップロードまで3か月かかっていることになるのだが、来年(というか今年度)から紙媒体の印刷はしないので、このページに載ったら「刊行された」ということになるということか。



そうして夏至を迎えたが、梅雨とはいえ、このところバランキーリャの2月を思わせるような、さわやかな風にきれいな空と夕暮れが見える日が続いていて、アジサイの花の美しさも、傘をさしながら雨に光るのを見るのとはちがって、大きく目に飛び込んでくる。

こういう気候ならば6月も悪くない。その勢いでインティ・ライミの映像を授業で見せたりした。生で一度も見たことはないのだが。

ニュースでは、ベネズエラの一連の危機が原因で、今年はロムロ・ガジェゴス賞の審査と授与が中止され、来年に延期されたという。

2017年6月24日土曜日

ルベン・ダリーオ、ボルヘス

スペイン王立アカデミーが折に触れて刊行している「名作」の記念版シリーズにボルヘスとルベン・ダリーオが入った。

ダリーオは昨年が没後100年だった。

Rubén Darío, Del símbolo a la realidad(Obra selecta), Real Academia Española, 2016.

序文や解説を書いているのはセルヒオ・ラミレスやホセ・エミリオ・パチェコなど。

一方、ボルヘスは昨年で没後30年。

Jorge Luis Borges, Borges esencial, Real Academia Española, 2017.


2017年6月8日木曜日

アフロ・ラテンアメリカ[2017年9月30日追記]

最近の二冊

Jackson, Richard, Black Writers and The Hispanic Canon, Twayne Publishers, New York, 1997.




表紙はキューバのナンシー・モレホン。

Andrews, George Reid, Afro-Latin America 1800-2000, Oxford University Press, New York, 2004.



この他、Casa de las Américas 36-37号(1966)と、同誌264号(2011)などを眺めている。
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[2017年9月30日追記]

その後、以下の本。

Leslie B. Rout, Jr. The African Experience in Spanish America(with a new introduction and bibliographical update by Miriam Jiménez Román and Juan Flores), Markus Wiener Publishers Princeton, Princeton, 2011.


2017年5月31日水曜日

キューバ映画『Cuba baila キューバは踊る』

監督はフリオ・ガルシア・エスピノサ。

ICAICが創設されて間もない1960年、革命最初期の映画である。

革命より前の時代のハバナという設定。

資金力がない夫婦が15歳になる娘の誕生日を盛大に祝おうとする。当然多くの困難に出会う。場所にしろ音楽にしろ、立派な客を招待するので恥をかきたくない。

15歳の誕生日と言えば、娘が父とワルツを踊るのが定番で、メキシコで一度出たことがあるが、それはそれはかなりのイベントだった。

あくまでブルジョア家庭並みの誕生会を開きたい母親フローラ。彼女はどんどん妄想を膨らませ、おかしくなっていき、夫の上司にまで借金を頼む。娘にも階級が上の男を用意しようとする。それに対し、夫ラモンは気弱で、妻に振り回される。娘には相思相愛の恋人がいる。

そういえば、グティエレス=アレアの『12の椅子』も椅子探しにどんどん深みにはまっていく話だった。『ある官僚の死』もそうだ。

この『キューバは踊る』はメキシコ・キューバの合作で、プロデューサーにマヌエル・バルバチャノ・ポンセの名前がある。メキシコの映画人で、ブニュエルの映画や、ガルシア=マルケス原作の映画も制作している。

気づいたのだが、カルロス・フェンテスの短篇「純な魂」の映画も彼が作っている。『Los bienamados』というもので、2部構成。前半がフアン・ガルシア・ポンセの「タヒマラ」、後半がフェンテスの短篇だ。

2017年5月29日月曜日

キューバ映画『Cuba 58』

「仕事の日」「恋人たち」「新年」の3部からなる映画。1962年。

表題にある通り、1958年のキューバ。

「仕事の日」と「恋人たち」の監督はスペイン人ホセ・ミゲル・ガルシア・アスコー。ガルシア=マルケスが『百年の孤独』を捧げた人物である。

「仕事の日」は警官が夜のパトロールを行った様子をドキュメンタリー風にまとめたもの。ドラッグストア、賑やかなナイトクラブ、娼館などをめぐり、警官が闇世界と通じていることが知らされる。革命前のハバナの享楽的な雰囲気だ。パトカーの中ではラジオの野球中継が流れている。最後はハバナ大学の大階段のところで学生デモを取り締まる。

次の「恋人たち」では、政府軍に追われている男が、革命軍に合流するために連絡係を待っている。舞台(あるいは撮影された場所)はサンティアゴ・デ・クーバらしい。危険を逃れるために恋人役を一人つけてもらう。その二人が過ごす一日。男の方を演じているのはセルヒオ・コリエリ(『低開発の記憶』のセルヒオ)。夜があけ、男はシエラ・マエストラに向かう。女との別れの場面で二人は初めて本名を伝え合う。

「新年」は警察署で三人の警官が地下の拷問部屋(?)で男を拷問をしていると、サイレンが聞こえる。電話で知らされたのは、バティスタが亡命し、革命が勝利したことだ(1959年1月1日)。さて三人はどうするか。逃げるのか、それとも… 三人がいた地下室は一瞬にして牢獄に変わり果てる。脚本に『ベルチリオン166』のホセ・ソレル・プイグが参加している。監督はホルヘ・フラガ。

この「新年」をグティエレス=アレアの『革命の物語』に入れるかどうかで議論があったが、結局入らず、ホセ・ミゲル・ガルシア・アスコーの撮った2本とまとめられた。

2017年5月22日月曜日

ドキュメンタリー『Elián』

1999年から2000年にかけてマイアミのキューバと島のキューバで闘われた「エリアン」の所有権。

その時のドキュメンタリー映画ができたようだ。トレイラーはこちら。 エル・パイース紙の記事はこちら

フロリダ海峡で遭難した時のことを語るエリアンの声。「多分僕のことを覚えているだろう。覚えていないかもしれない。」

当時、多くの作家がこの事件について書いた。その一人にヘスス・ディアスもいる。2000年の1月に書かれたこのコラムのタイトルは「壊れたキューバ」。

最後はこう結ばれている。「(カストロが死んだ後)、キューバはキューバを開くことができるだろうか。つまり、島のキューバ人のみならず、マイアミにいるキューバ人、ディアスポラにあるキューバ人とともに、民主化に向けてキューバを開くことができるだろうか?」

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「いかだ難民 Balseros」をテーマにした映画では、前に書いた『Una noche』の他にもいくつかある。

そもそもは80年代の時点で、マリエル港事件の時にキューバを船ででた人物を使ったフィクション映画があって、それが『スカーフェイス』だ。

ギャング映画としてあまりにも有名になったこの映画の冒頭は、マイアミに着くキューバの船を写したドキュメンタリー映像が使われている。

『ウェストサイド物語』のプエルトリカン・コミュニティもさることながら、『スカーフェイス』のキューバ、コロンビア系移民の描き方はどう見ても問題だ。

実際、イバン・デ・ラ・ヌエスによれば、『スカーフェイス』のヒーローがマリエルっ子(Marielitos)であることに、キューバ人はかなり腹を立てていたという。

キューバ危機をめぐるスパイ映画『トパーズ』(ヒッチコック)にもカストロやゲバラが出てくるが、あれもドキュメンタリー映像を使っていると思う。

2017年5月17日水曜日

メキシコ文学論

Fornet, Jorge, Reescrituras de la memoria, Letras Cubanas, La Habana, 1994.

これがホルヘ・フォルネーが最初に出した本のようである。メキシコ革命文学論。

取り上げられるのは4人のメキシコ女性作家の作品。

ネリー・カンポベージョ(Nelly Campobello, 1900-1986)の『Cartucho』(1931)。

エレナ・ガーロ(Elena Garro, 1916-1998)の『Los recuerdos del porvenir』(1963)。邦訳は『未来の記憶』(冨士祥子、松本楚子訳)。

エレナ・ポニアトウスカ(Elena Poniatowska, 1932-)『Hasta no verte Jesús mío』(1969)。

アンへレス・マストレッタ(Ángeles Mastretta, 1949-)『Árrancame la vida』(1985)。こちらは映画版『命を燃やして』が日本語で視聴可能。